ひとくちの白湯に枯葉の火が匂ひ  山上樹実雄

匂う「枯葉の火」とは焚火の匂いか。焚火と言わずして「枯葉の火が匂ひ」ということで、白湯を口にしてほっと一息ついているときの自然な意識の流れが表現されている。白湯の茫漠とした味に枯葉の燃える匂いがふっと色合いをつけた、そのハッとした瞬間。「ひとくち」を仮名にひらいているのも、地味に効いている。とっても感覚的なところなのだけど。

「俳句」(角川学芸出版)2013年2月号、作品十六句「冬燦と」より。