「事故ですか、事件ですか。」「熊です。」  限果

「澤」最新号(2013年4月号)「澤俳句鑑賞」欄より。評者の関悦史さんは「熊出現の唐突さに対する驚きを、電話応対のフォーマットが破壊されるという形で表現している」と的確に批評している。

だいたい、熊にかかわらず、とっさに「事故ですか、事件ですか。」の問いに答えられる自信がない。この句は「熊だ!」とか「熊、熊」ではなく、一応「熊です」と「です」をつけて応答しているところから、熊との距離感がある程度あることがわかってちょっと安心するし、このかしこまった「です」の作用によって、コミカルに感じられるのだろう。

ちょっとずつ字足らずなのも、事態の切迫感をちょっと出している。