あめんぼう遠くのあめんぼう揺らす  加藤かな文

昨日に引き続き、ふらんす堂の句集「家」より引いた。

 

水たまりができると、いつの間にか集まるあめんぼう。

小学校に通っていた頃、その小学校の校庭は、水はけが悪く、雨が降るといつも巨大な水たまりができ、そこにはいつもあめんぼうが集まっていた。あめんぼうを見つけるのはあめんぼうの作る水輪を目印にしていた。

一匹の小さな水輪が揺れ、それにつられて周りのあめんぼうも揺れ、あめんぼうがたくさんいることに気付く。リアルな写生句だ。

 

「あめんぼう」という言葉がリフレインされているが、描かれているあめんぼうは違うあめんぼうだ。

「あめんぼう」のリフレインも、あめんぼうと水輪を描いた句も、この句が初めてではない。しかし、あめんぼうがあめんぼう同士で影響を与え、受けている状況に、勝手に人間との共通点を見出し、惹かれてしまう。

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