ソウル俳句会×スピカ 三泊四日道中記②

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「タクシー」ではなく「タクツー」。惜しい。

午前中の吟行が終わったら、今回の旅の目的である、ソウル俳句会創立20周年記念のワークショップ会場へ。会場で華ちゃんとも合流。

はつなつのひかりをスーツケース来る  紗希

「はじめて俳句」ということで、はじめに穴埋めを使った簡単な俳句の作り方レクチャーをして、そのあとは各人一句出してもらって壇上で句会もどきを。ソウル在住の日本人や日本人学校の小学生、韓国の大学で日本語を勉強している韓国人の学生さんたちが、80人近くも集まってくれました。

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俳句を作ったことがある人~と聞くと、かなりの人が挙手。

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三句ほど、名句の穴埋めをしてもらい、その答えをインタビューしてまわる。独創的な答えがバンバン出て楽しい楽しい。たとえば「じゃんけんで負けて〈女〉に生まれたの」なんて、徳富蘆花の『不如帰』の世界や。

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少女も楽しそうに俳句を作ってくれて嬉しいかぎり。

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兼題は「トマト」。日本では野菜として料理することが多いけど、韓国では砂糖漬けにしたりして、フルーツのように扱うのだそう。トマトで一句作ってもらって、出てきた俳句の中から20句の入選句を選ぶ。それ以外の句をコメント付きでさーっと紹介したあと、大きな短冊に書きうつされた入選句を発表し、みんなで選句していく。

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どうですか?ユニークな句が並んでますよね?

ときどき575におさまっていない句があるのは、ご愛嬌。

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「会議室トマトジュースの甘さかな」なんて、会議室のおカタい雰囲気とトマトジュースの甘さとが、とってもバランスがいい。「トマト切るソファの猫の大あくび」は日常のワンシーンをのびのびとした言葉で切り取った。

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会の合間あいまで、少年がちょこちょこと、出来た俳句を見せにきてくれる。「これ、関西弁がそのまま俳句に入っとってええやん」「私はこっちの句が好きやな」と感想をいうと、嬉しそうににこっとして席に戻り、またできたら持ってきてくれる。彼、俳句が少し好きになってくれてたらいいな。

少年の眉きよらかに花杏  紗希

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入選者にはちょっとした賞品を用意。韓国の学生さんも喜んでくれて嬉しい。

 

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私もお花をいただきました。本物だと思って匂いを嗅ごうと顔を近づけたら、本当によくできた造花。これなら日本にも持って帰れる!ということで、今、玄関のそばに飾らせていただいてます。

ワークショップのあとは、ソウル俳句会のみなさんと、午前中の吟行の成果を持ち寄って句会。特選にとった三句のうち二句が、次の内輪の二人の句だったことには、さすがに反省した紗希でした。

川底は夏のひかりを知つてゐる  華子

虹を待つ緑豆煎(ピンデトック)をかじりつつ  る理

SAMSUNG CSC

もちろん俳句だけでは終わらない、夜はサムギョプサルを食べに!カリカリになるまで焼いて、サンチュやエゴマなど、いろんな葉物に巻いていただく。「野菜がとれるからいいんだよね~」と盛り上がる。

韓国の焼酎でカンパイ!

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泡消えしビールタッカンマリ真っ赤  華子

(最終話へ続く)