永らく待ったは永井荷風

2013.4.16岩波書店発行『荷風俳句集』

今日は妻A子が仕事で僕は休み。
なんというか、悪いけど、自由です。

カシュッ♪

悪いけど、飲んでます。今13時ですが、風呂上がりのビールでございます。

グラスは冷凍庫に入れてたのでキンキンです、いやー、楽しいなぁ、あぁ楽しい。

昼にビールを飲みながら音楽聴きながら、俳句を読む、これ以上楽しい事はそうありませんぜ。

頼まれてる洗い物もまだやってないぜ、洗濯物もほったらかしだぜ、あぁワイルド過ぎる。

機嫌が良いのできりんのへやを書こうかなと、待ちに待った本が出ました。岩波文庫偉いっ!待ってました、『荷風俳句集』です。はい、そして解説は郁乎さん、いやー、これは買いですね。僕は今月の給料日に最初にかったのはこれです。ささ、読もうかな

「荷風百句」は良いに決まってるんだからできるだけその他から拾います。

大道に吸物を売る女かな

僕は幸薄せうな人がタイプです。幸薄い人ではなく、薄そうな人が好き。

腰まげてジャップが申す御慶哉

ハローハロー、腰を曲げてるジャップ達
(あの短歌風に)

風鈴や庭のあかりは隣から

気になる幸せそうなお隣さん

悪人の妹うつくし破団扇

「あぁお兄様」と言われてみたい。一人っ子だけど

柳でも竹でもよしや秋の風

なんでも良いわけではない。
郁乎さんの「このひととすることもなき秋の暮」というのを思いだしました。

長らへてわれもこの世を冬の蠅

ちょいと前に、連作のタイトルに「冬の蠅」と付けて総合誌に出したんですが、
実はこの句が好きで付けたんです。
ちなみにこの句は荷風が其角の「憎まれてながらへる人冬の蠅」を思い浮かべながら作ったらしいです。そういう楽しい事はすべて解説に書いてあります。なので買いましょう。

何もせぬ人の心や秋早し

そういうのが楽しい。そしてそれが秋ならなんだか美しい。こういう句を読むと郁乎さんは荷風の俳句への意識がかなりあったんじゃないかなぁ。

もてあます西瓜一つやひとり者

食い切れん

梅が香や木魚しづかに竹の奥

だんだんと木魚は好きになるものです

元日やひそかにをがむ父の墓

死後もまだ照れ臭い事こそ美しい。あまりわかりやすいのは嫌ですね。

大方は無縁の墓や春の草

でもちょと拝むよ

世の中や踊るはだかも年のくれ

こういう句で、ぽんと「世の中や」と置けるようになりたい、「はだか踊り」ではなく、「踊るはだか」と出るようになりたいなぁ…、道は長いぜ、楽しいぜ。

飽きし世にまた着る秋の袷かな

あぁ嫌だ嫌だと思いつつ、でもまぁねぇと生きていたい

スカートのいよよ短し秋のかぜ

わおっ、短し。荷風さんびっくり

人よりもまづ鶯になじみけり

こうありたい、楽しく生きていきたい

かたいものこれから書きます年の暮

荷風、嘘つかない

涼しさや橋をながめる橋の上

なんだっけ、あの橋、とか思いつつ、ボーッと楽しむ楽しさといったら、ぶらぶらほど楽しいものはなかなかありません。

それじゃ、また

ばーい