相生垣兄さん秋津さんの事③

昭和十五年七月二十八日、出口一男発行
相生垣秋津句集『白毫帖』

先日焼鳥のぼるがにて「木枯と瓜人を語る会」を開催致しました。僕と友人の千方さんと二人で。

タレと塩の盛合せを注文して、あとはもう、木枯さんがああだこーだ、瓜人さんがああだこーだの言いながら、ビールビールビール黒ビール黒ビール黒ビールとひたすら飲みながらまた、ああだこーだと、俳人というのは完全にオタクでありますから、そういうのが楽しいんです。

秋葉原のオタクさん達が楽しそうなのと同等に、今日も俳句オタク達がどこかの酒場でああだこーだと、まったくお洒落でなく楽しそうに遊んでいるんだと思うと、ちょっと嬉しい。

じゃあ、今日も秋津さんの句です。

黴をれるものを蔵ひね黴の宿

捨てる事は無理、使わなくても

つゆの海白波まろびきては消ゆ

梅雨の海が美しいかどうかはわからないけど、とにかくこの句の音が良い。瓜人さんと同じく兄の秋津さんの句もリズムが美しい。

海風に筆の乾きや星祭

「乾きや」なんてカッコいいなぁ、ちなみに海の句が多いです、秋津さんは。弟の瓜人さんは梅雨の句が多い。

帰省子にすずしき机もうけあり

よく帰ってきました

うつろなる心たのしき夏書かな

これ大好きな句です。「瓜人仙境」という言葉がありますが、仙境とはこんな心なのではないでしょうか。

つたなき手あはれなりける夏書かな

でもこれ、この「つたなき」も「あはれ」もまた良しと思ってるところがあります。

待ちあはす西日の顔や舟遊び

「やあ」「やあ、しばらく」

うしろ手に瓜を載せたり夕歩き

安定している

はるかより海のこたふる夜釣かな

タップタップ。楽しい孤独というのもあります、こんな感じ。

まつしろき鶏頭立てる良夜かな

月の光でとか考えるとツマラナイですが、十七文字で表現されたものをただただ眺めると、不思議に面白く美しいもんです。

じゃ、そういうわけで

ばーい