夢に舞ふ色々美したかしかな⑥

昭和40.11.30笛発行所発行
『たかし全集第一巻』より

久しぶりに寄席に行って来たんですが、いやー、酷かったです。ツアーだかなんだかしらないですが、団体さんのおばさん達がワイワイ入ってきて…。

携帯電話が三度ほど鳴りまして、何度注意しても駄目なんですね、多分電源の切り方がわからないんでしょう。
一つネタが終わるごとに前座さんが「携帯電話の電源を…」と注意しに出てきます。

歌舞伎も落語も、あんなん入れちゃ駄目。

さ、松本たかしやりましょうかね。
『火明』の続きからです。

鵜の嘴にぎらりと鮎や鮎小さ

鮎ちっちゃ

鵜篝の夢にも燃ゆる名残かな

松本たかし「すごく楽しかった」

梅雨晴の裏富士見せつ駒は否

甲斐駒はノン

木魚居る畳に座り夜学かな

居ます、木魚が。

秋晴の舟より投網橋よりも

土佐は鏡川の句です。たかしは土佐によく行ってます。たかしが詠むと土佐も涼しい。土佐は夏は痛いぐらい暑くて、だからと言って冬は寒いです。

湯揉みせる唄よ湯音よ雪の暮

草津て遊んだ句らしいです。うーん、数句ごとにたかし先生、遊んでませんか…。

庭に捨つ茶の光り飛ぶ月涼し

いやいやいやいや、そんなにですか?

食へといふ小河豚も食うて泊るなり

食へというから

あたたまる眼を開け閉づる炬燵かな

眠い、寝ないけど

塗桶に寿司の錦やしぐれふる

これは美しい。ちなみに道頓堀だそうです、と聞くとなんだか嬉しくなる。

鯖の火を遠の都と憧るる

たまには有名句も。たまには、ふっと、どっか行きたいなぁと思いたい。

プレゼント大きく軽し毛糸ならむ

たぶんそう

正月をして出てゆきぬ鮪船

これ好きな句。三浦三崎だそうです。さて、また清々しく出発するのです。

羽子音の一つもなしや羽子日和

やりなさいよ

大兵の細眼まぶしや初夏の蝶

なんと波郷を詠んだ句。一年に何回か顔を合わしたらしいのですが、何を喋ったんでしょうか。この句を見ると意外と合ったんでしょうか。共通点は二人とも茅舎が大好き。

虫の音の誘ふ闇に行かず居り

昔から好きな句です。なんだか名人の厳しい晩年のような感じに憧れたもんでした。

はい、松本たかしは今回で終りです。六回と案外サクッと終わってしまいましたね。村上さんから「あなたね、たかしはもっと良いのあるでしょう」と言われましたが、ま、たまにはこんな松本たかしも良いじゃないですかって事で。

次は何やろうかな、じゃ

ばーい