2013.12.10 邑書林発行
五十嵐義知句集『七十二候』
行きたかったターナー展に行ってきました。僕意外と絵とか観るの好きなんですよ。
こう、わぁーと、ぼぉーっと、観る。ただ好きか、そうでもない、ぐらいにしか考えなくぼぉーっと観る。僕は全く絵とか描けないので技法がどうとかわからなく、だから良いのかもしれません。ターナーの絵の青空が気持ち良かったです。
あ、家に帰ると嬉しい句集が!!
五十嵐義知さんの『七十二候』これは良い句集です、今年最も気持ちの良い句集の一つじゃないかな、読んで行きましょう。
ひるがへる木の葉のごとき菓子焼けり
パクパクいけちゃう。
柚子風呂や柚子の集まる背中あり
背中「柚子おいでー」と言う句ではない。柚子がいくつも浮いてる楽しい柚子風呂。麒麟家では柚子は一つしか入れません、最近柚子が高い…。
水平線鮮やかにして夏来る
あー、とか、わー、とか叫びたいほど気分の良い句。
山路来て土佐の国たる初鰹
そうそう、義知さんは土佐にいらしたんですよね、土佐に居た頃僕は週の半分ぐらい鰹丼食べてました。600円でもりもり。飽きるとマヨ鰹丼にするんです、これもなかなか。
かまくらをつくる職人気質かな
几帳面さがすごく出そうなのがかまくら。僕じゃ多分無理。
南北に深き山並み秋の暮
こういったところで焼魚と美味い日本酒があれば、人生最高だなぁと。
菊人形風雲急を告げにけり
これ楽しい。菊人形らしい大げさ感がよく出ていて好きな句。
ゆるやかに牛戻りくる良夜かな
綺麗な牛は神聖な感じがします。おじゃる丸に出てくる牛も可愛くて好き。
ちらちらと御降り海をかくしけり
ちらちらが良いって書くと変だけどちらちらが良い。
銀漢のまぢかき山の祈禱かな
麒麟仙人「本代が欲しいー!健康になりたーい!歌舞伎座のチケットが欲しいー!!あとなんか褒めらたいー!句会に目立ちたいー!モテてみたいー!」祈禱とはこういう欲にまみれたものではない。これは山の上で叫んでいるだけ。
触角の長さばかりのかまどうま
かまどうまとはこういうもの。それがなんだかとっても楽しい。とても僕が好きなタイプの句。
てのひらのよき大きさや草の餅
そしてパクリむしゃむしゃ。
ごきぶりといへども光ありにけり
むしろ光っているから嫌なんでは。
干されたる蛸に肩あり怒り肩
あっ、尾道もこんな感じですよ。
初夏や背伸びしてゐる麒麟ほど
わっ!これ前にキリン句大募集でいただいた句だ、懐かしい。背伸びってのが良いですね。これ今度会ったら義知さんに書いてもらおう。
この川を渡る術あり蝸牛
この蝸牛、なかなかやる。
良き風をとらへて神の旅立てり
すわぁー、と目出度い、良い気分。
心が透き通るような、気分の良い句集です。あぁ、秋田に行ってみたいなぁ。綺麗な空気をすぃーっと吸いたい、あと酒と。
じゃ、そう言う事で。
ばーい。