平成15.11.20 沖積舎発行
橋閒石全句集より
ハンバーガーやチキンやらナントカコーヒーやらたまには食べたいけど、尾道には昔あまりそういう店が無かったせいか、今も注文の仕方がよくわからない。スマートにテキパキ頼まないと愚図のような目で見られ、冷たくされるような気がしてどうも嫌。
今日はなんとかチキンを食べながら、A子に「我がオールドバーガーはメニューは二つしかない。オールドバーガーかオールドバーガーセットだけ、オールドバーガーセットは普通バーガーと普通ポテトと普通コーラが付いてくる、シンプルで絶対流行るから巣鴨で一緒に店をやろう」と言ったら、飽きられてすぐ潰れます、と即答されたので、明日も嫌だけど普通に仕事に行きます。
今日は『無刻』からです。
牛の斜視突切る赤き水着のまま
あ、牛。
胡椒壺さかしまに振る金曜日
昨日は普通の木曜で明日は普通の土曜日。
雑魚ばかり釣れる河口の秋曇り
すごく楽しいわけでもない釣り。
蝦の髭うごく十五夜の調理台
よくよく見れば、結構不気味なんです、あいつ、蝦。痒いし。
乾く冬鼻だけもちて石仏たり
良い感じの、石仏たり。
冷飯を食ふ巨いなる鏡の裏
変な不思議な好きな句。…こっちで、食べなよ、と言いたくなる。
頭脳もちてガラスの中の冬の魚
金魚かな、とかでは無いのでちょっと大きな魚かなと。うーん、鳴くわけでもなく、じっと見てくる魚、不気味だなぁ、僕らが寝た後、水槽の魚って何してるんだろ…。
中年の女ら酔へる躑躅のなか
女ざかりですな。
島人の胸毛塩ふく麦不作
このガッカリ感が良い。
毒茸のすべて砕かれしが嗤ふ
毒茸「うひゃあーひゅああはははーんぴゃあはぁーあははのはぁーあ♪」これは食えんです。
毛虫焼く今朝も太陽濁りたり
うんざりだぜ。
海に太陽バドミントン選手ら負けて笑ふ
うんざりだぜ。
かたつむり俄かに殖ゆ赤き布団干され
これ有名な句ですね。かたつむりって可愛くて気持ち悪くて、変なやつです。
蟻地獄偏愛す黒き眼鏡をかけ
友達が欲しい。
じゃ、そういう事で
ばーい