2014.4.25 角川学芸出版刊行
今橋眞里子句集『風薫る』
池袋は苦手だけど、本を買うためにたまーに行きます。渋谷も苦手だけど美術館に行きたいために、たまーに行きます。
すぐそこに、ほら、見えてるそこに、行きたいだけなのになかなか着きません。外に出たいだけなのになかなか出れません。
なんだかなぁ。
素敵な句集を買いました。今橋眞里子さんの『風薫る』です。まさに風薫る、気持ち良い。さて読んで行きましょう。
初夏のまばゆき空のありにけり
命がきらきらしている。
冬ぬくきことなど話し初対面
とりあえず。
正面を決めかねてゐるシクラメン
どこにしようかシクラメン。
見るだけのつもりが子猫貰ひ来し
見たら負け。
自分では剥かうとはせず林檎好き
クルクル剥かれるところを見ると食べたくなる。
冷房を止めて親しむ夜の庭
夜を楽しむ、夜は楽しい。
戻りきし父の加はる歌留多かな
ワシもやらして。
蟻はこびゆくものふつとさらふ風
あぁ、風よ。
障子貼る廊下の長さありにけり
妙に長く感じる廊下。不思議な句。
一本の桜のためにある小道
小道が可愛く気持ち良い。
筍を掘る力入れ力抜き
コツ。
満開の桜が時を止めてをり
はっと。桜にはそういうところがある、牡丹とかは美しいけど、こうはならない。
ビール飲み楽しき人となつてゆく
軽く、楽しくビール。
濁りなき白に力や雲の峰
もりもり盛り上がる。
風薫るこれからといふ人生に
まだまだ楽しい、これからも楽しい。
幸福な句集でした。
じゃ
ばーい。