この頃の川柳の人達12

2001.2.1 川柳木馬ぐるーぷ発行
「現代川柳の群像」より

子どもの頃、司馬遼太郎「項羽と劉邦」が大好きでした。僕は劉邦派で、劉邦という人は酒と女が好きで、武芸も学問も特に優れたところなく、けれどもなんだか人気があって仲間達が助けてくれてやがて天下人に、確かそんな話だった気がします。いや、なんか違うかな…。

おぉ、これだ!と少年の頃の僕は思いました。天下を獲る者は、こういった不思議なグータラだと、勉強もスポーツも駄目でしかも喘息な僕はときめいたものでした。

現在31歳になったけど、今のところただのちょっと駄目なだけな人です。

でも、なんだか毎日楽しいから良いか。うん、いいや。

川柳の続きをやります。

吉田健治

父の日の父の眼鏡の吊橋ゆれ

もや~っと。

子の赤いスリッパはけば雪降り出す

可愛い赤スリッパ。やたら赤い。

私の部屋に石の林檎が一個ある

空腹の時は、撫でます。

晩秋やてのひら過ぎる仏たち

ナイスなサイズ。これ好きな句です。

縄の電車に夫婦が乗って老いてゆく

一緒にどんどん、あっという間に。

ふところに小石がたまる通勤電車

ちょっとづつ、確実に、嫌んなっちゃう。

ポケットの鬱のらくだがてくてく歩く

らくだ「もちろん、楽じゃない」

しんしんとラーメンすする枯野かな

枯野には醤油ラーメンがよく似合う。多分。

川柳、面白いですね。

じゃ

ばーい