2015.4.30 書肆山田刊行 冬野虹作品集成 第1巻より
弱っている時に読める句集と読みたくない句集がある。あぁちょっと心が疲れてしまったなぁという時には、虚子の句を読むことが多いです。
窓秋や鴇田さんのもよく読み返すかな。励ましたりしない俳句が弱ってる心には良い、こう、透明な居心地の良い気持ちにさせてくれるようなのが。
冬野虹さんの句も、不思議な世界で、ふわっとした気持ちにさせてくれます。
じゃ、前回の続き読みましょう。
秋繭のくぼみのごとくうしなへり
ちょんとした、小さな闇。
解剖室ではクレソンがのびてゐる
解剖室ではクレソンがのびてしまっている…。不思議な句。
浮草をすこし歩いて還りけり
楽しき世界に。
アイリスを置きこはれさうな風景
でもあえて、置きます。ゴッホの絵を思い出しました。
蝉丸のかがやきて汲む芹の水
一句が水のようにきらきらしている。音が良い。
陽炎の広場に白い召使
召使もまた、ゆらぁと白い煙みたいに。
ポーの町までマフラーをぐるぐるまき
解けないように解けないように。
あぢさゐをかさねてつくる母のトルソ
これはすごい。この七変化、あの七変化。今回一番好きな句。
つゆくさのうしろの深さ見てしまふ
つゆくさのうしろなんて、ってところから面白さが始まる。
こはさずに螢を袖に胸に髪に
螢の姫みたいに。憑かれているようにも見える。
たくさんの鹿現はれて琵琶を弾く
これも大好きな句です。鹿が弾き、鹿と聴く。
不思議だなぁ。ゆるゆる進めていきます。
じゃ
ばーい