登四郎どうしよう⑨

平成2.11.20 富士見書房刊行
俳句研究別冊 能村登四郎読本

仕事をすると、時々心が腐ってくる。観光地で働いているため、不快で屈辱的な思いをすることも少なくない。急に人の集まるところに行かなくなったり、部屋を真っ暗にして玉置浩二を聴いたりするのは、心が腐っている時だ。

しかしながら、わかっちゃいるけど、たまに嫌になる。

そして、村上さんに連絡する。

心の腐り具合がより進んでいる時は、敦姉にも連絡する。

酔っ払った村上さんが、沖縄料理屋で熊除けの鈴を鳴らし、面白いので何度も鳴らす。

「他のお客様もいらっしゃいますので」

と叱られる。もちろん僕達は泡盛を飲みながらブーブー言う。たまに楽しい酒でも飲まないと腐ってしまう。

それにしてもオリオンビールってのは美味しい。

登四郎句集『幻山水』の続きから。

総身の力を抜きて牡丹散る

すっと。総身がいい。

蟹飼ひし音にもさとき身の弱り

気になる。神経がイガイガする。

送り火を跨ぐや病める身のかろさ

ひょろつく軽さ。

奥肥後に死ぬ蜩か声うるむ

肥後の奥。

飼はれゐる山女魚さわげり山雨来て

山女魚「雨だぁ。」

くもる日は闇も赤しや稲の花

赤黒い。もくもく。

紅葉見し眼を杉山に入り冷す

すっきり感は目薬級。

少しづつ動いて枯るる川景色

枯るる(ぱるるの発音で)

立春の日ざしも入れて紙を漉く

今日から春の紙漉き。

血をすこし薄めんと出づ夜の朧

コンビニで立読みに。

牡丹のほろぶまで見し齢かな

ほろぶまで、見る齢。

学僧の手燭みちびく梅雨の洞

こちらへ、ささ、こちらへ。

蛸壺に鳴く声のして覗きけり

美声の蛸。いや、蛸じゃないんだろうけど、居ればいいなって。

村中の空腹時を焚火燃ゆ

めらめら、ぐーぐー。

月ありて若さを洗ふ冬の僧

一年中、僧を見てますよね。

冬至といふ底ぬけに明るい日

もう、底ぬけ。

漂白の果の冬蝶藁にゐる

冬蝶も休みたい。

大き手に恍惚と餅伸されゐる

餅「びにょ~ん」

枯どきが来て男枯る爪先まで

枯るる(ぱるるの発音で)

じゃ

ばーい