昭和32.8.10 岩波書店刊行
『露伴全集』第三十二巻 より。
もう20代とは違うんだと一番感じるところは胃袋かなと。頭ではもりもり食べたいと思っていても、欲望のままに食べ、好きなだけ飲むと、大抵翌朝胃腸の調子が悪いです。
胃薬を飲み、歯を磨く時にはおぇおぇとあぁ、情けなや、鏡を見ると実に疲れた顔をしている。32歳とはそういう歳なんでしょう。
しかしながら
周りの50代60代を見てみると、やたら元気で、やたらと食べ、やたらと飲む、そして騒ぐ。バブルを知っている世代の人は生涯バブルなのかと羨ましく思います。
もし、生涯人を元気にさせるとしたら、バブルもまたそう悪いものでもないのかもしれません。
さ、露伴さんを読みましょう。
おれもあの玉屋になろか春の風
リクナビネクスト、違うか…。
陽炎や鮒釣る馬鹿の鼻のさき
言うけれど、釣り好きな。
おぼろ夜やぽとんと淵に魚躍る
活が良いやら、そうでもないやら。
海豚とぽりとぽりと春の海暮るる
あぁ、海豚がいるね、ぐらいな。嬉しがり過ぎていないところが良い。
酒飲まぬ人に咎なき櫻かな
悪くはないが。悪くはないんだが。
村古りて水車ものうき若葉哉
美しく、田舎の。
もてなしの鯨はほめて清水かな
鯨はよし。
釣師撲つ露は銀河のしぶき哉
美ですが、やはり釣好きを隠せない。
釣糸を露の流るる月夜かな
美がある、と言い張る。お好きですな。
すいすいと流れて早し秋の雲
お掃除ロボのようにすいすいと。
芋の葉のずんとさけたかもずの声
ずんに迫力。
薄い日のそろりと動く枯野かな
これは好きな句です。冬の穏やかさがある。
冬牡丹待たれてつひに咲きにけり
待ってましたの冬牡丹。
貧楽や釣の書をみる年の暮
ぺらぺらめくる、楽しさよ。あぁ、なにより楽しい、声には出さないけど。
お、露伴さん、8回で終わりですね。面白いので、ぜひ図書館等で借りたりして読んでみて下さい。面倒な人は、買っても良いんじゃないかなと思います。価値ありです。
次回、何やろうかな。
じゃ
ばーい