2016年3月15日

霾れば霾るほどに大瓦礫

この三月に入り、改めて被災地を訪ねたことは、何度か書かせていただいたが、その日自宅を出た時は、晴れ渡り穏やかだったが、海に近づくにつれ次第に空が暗くなり、一面が白い気体に覆われた。霧では無い、靄でも無い、そこにはまるで無季の世界から湧き出づる白い気体が、時に視界を遮った。幻想的などという言葉は、もはや借りものでしかない。何物かが、何物を受け入れるかのような、淡くも濃い白い風景だった。