平成11.8.20 壱岐坂書房刊行
『篠田悌二郎選集』より。
先日、文さん(フミヨさん)夫婦と信州の伊那に日帰り旅してきました。
ソースカツ丼を食べて、井月のお墓にお酒をかけててを合わし、井月の句碑に行って、本屋さんで井月資料をあさり、そして伊那名物ローメンなるものを食べ、駅前の美味しい和菓子を買ってと、濃厚な伊那の旅でした。
22歳の頃、伊那の地に一年住んで、仕事を辞めて出て行く時に、二度とこんな土地に来るものか、と思ったものですが、あれから何度も何度も訪れている伊那。
ソースカツ丼も、ローメンも、好きなんだよなぁ。
とっても楽しい旅でした。
『篠田悌二郎選集』を読んでいきます。
第一句集『四季薔薇』から、どう減らしても30句以上好きな句があったので二回やろうかなと。
応へ来し糸の重みや凧
いきいきと凧。
暁やうまれて蟬のうすみどり
命美しうすみどり。代表句ですね。
春寒や畳の上の椅子机
畳の上ってのが良い。
今朝秋の蚊帳の白きをながめけり
秋には少し秋らしく。
猫の子に鳴かれて抱いてやりにけり
これ好きな句。猫さえ居れば人生は楽しい。あぁ、猫居れば…。最近、近所の猫を撫でに行くのが僕の休日です。
町中にある牧場や桐の花
身近な牧場、嬉しいな。
風立てば鳴くさみしさよ秋の蟬
秋だけに秋の蟬。
埼玉や桑すいすいと春の雨
斬新な上五、埼玉や。埼玉やぁー。
釣人にかまはず障子洗ひけり
私は構わん。
沖浪のかがやき照るや羽子日和
羽子日和には羽子やろう。
河口に散らばりそめぬ鯊の舟
あれもこれも鯊の舟。鯊ならではのよさ。
山茶花のちりたる水の氷りけり
山茶花は散るなり、氷りけり。
堤行くわが影鴨に伸びにけり
どこでもいつでも鴨は可愛い。
籠雲雀ひねもす鳴いて草餅屋
籠を開けたら揚雲雀。
梟の声遠かりし端居かな
ぼんやりと、ぼんやりと端居。
波たちて流るるごとし秋の沼
これも大好きな句。秋の沼の好きな人にはたまらない魅力が出ています。
次回は続きから。
じゃ
ばーい