悌二郎やるぞお②

平成11.8.20 壱岐坂書房刊行
『篠田悌二郎選集』より。

昔、雑誌のアンケートで好きな食べものは「キムチ炒飯」と書いたんですが、最近はほとんど食べていません。

柿生のミートスパゲティ、喫茶店のナポリタン、鯖寿司、チキン南蛮、築地のカレー南蛮蕎麦、酢豚、天津飯、表参道の餃子、ナイルのカレー、柿生のほうれん草カレー、崎陽軒の焼売、大勝軒の醤油ラーメン、をよく食べています。

食べ続けると、そのうちぱたりと飽きてしばらく食べなくなるのですが、時間が経つとまた食べ続けるようになります。

そういえば、コンビニのおにぎりはいつも海老マヨネーズ、パンはカレーパン、これも決まっています。

お酒は菊水、お金がある時は酔鯨、加賀鳶。焼酎は黒霧島のロック、お金がある時はくじらです。つまみは外ならエイヒレ、家では卵焼き。

たまには食の冒険をしないとなぁ。豪華なもの、すごく美味しいもの、よりも食べなれたもの、見たことあるものを選んでしまいます。服も同じものだけを着て、知らない街には行きません。

冒険心がないのかなぁ…。

『四季薔薇』の続きからです。

冬空のうつりて白き運河かな

好きな句です。心がすっとします。

武蔵野のふるき並木の種物屋

なんとなく、いつまでもある種物屋。

向きあうておなじ燈籠草の宿

草の宿が良いですね。飯、宿は好きな言葉。

まつ白に道つらぬけり虫の闇

ぼんやりと歩く楽しさ、不思議さ。

草山の空はあかるし虫の声

これも好きな句。透明な明るさ。

海の鳥むれつつ舞へり火事の空

海鳥「大変、大変」

藤棚はすがしき影を地にゑがく

まことすがしき。これしかないという一つの言葉を探す大切さ。

干し草をうすき光りに散らしつつ

「うすき光り」に作者の好みを感じます。

ゆあみつつ虫の絶えしをふとおもふ

上五が「昼風呂で」等では駄目ですもんね。どの言葉も水のように柔らか。

かぎろへばあはれや人は山を越ゆ

ゆらゆらともやもやと。

木の花のゆふべ白きを夏ひばり

夏の一字が素晴らしい。

上り鮎卯の花しろくこぼしつつ

卯の花は大人の花。

初蟬や疲れて街をゆきしとき

清々しいと日差しが見えるような句。

虫鳴くにこころさわぎて闇を守る

心騒ぎて、ではないところが悌二郎さん。こだわりを感じます。

夜の秋を言ひぬ久しき闇に堪へず

夜の秋だね。ほんとそう。

次回は第二句集、やります。

じゃ

ばーい