平成11.8.20 壱岐坂書房刊行
『篠田悌二郎選集』より。
先日、直さん家のお花見会に行ってきました。
とっても楽しかったのですが、よく食べよく飲み、そしてグースカ寝ていたので、後半はあまり記憶がありません。
飲み会の記憶はほとんどないんですが、直さんの本棚のどの辺りに何の句集があったとか、そういうことはよく覚えています。
古書店の棚のどこに何の句集があって、値段がいくらなのか、だいたい覚えています。ネットで注文出来る時代ですが、僕は直に見てから買うのが好きなんです。
全部、僕の本棚だったら良いのに。
と、思いつつせっせと本を集めるのです。
『風雪前』の続きから。
おどろきて冬陽炎を庭に見る
おどろきの庭。
菊枯れてけふ麗日の虻多し
虻多し。
あはれとも言はず冬蜂掃きおろす
せっせと掃かれる、死にどころ。
手さぐりに捉へともせば寒夜の灯
ここがパッと。これの句は冬が綺麗ですね。
木枯のべうべうわが家細りけり
わが家、寒そう…。
雪つもりても道らしく野をよぎる
されども進む、行けばわかるさ。
来てわれの一つ灯ふやす雪の谷
これは我の灯。
ある日子が主婦の座につく梅二月
そんな春。「梅二月」がしみじみと良い。
紅梅の濃きうすきありみな遠し
淡く濃く。どこか遠くが懐かしく。
年ごろの頬を受験に削がれける
受験なんて、無ければ良いのに。あるけど。
地に群るる蝶のましろを暮春とす
とす。
あ、終わりました。この選集は第三句集まで収録ですので、一応ここで終わりたいと思います。
いつか、悌二郎全句集が出れば嬉しいなぁと思います。
次は何やろうかな。
じゃ
ばーい