2013.9.14青磁社刊行
『魚目句集』より
職場では、アレ、ソレ、ソコなどを多用する人が多く、いつの間にか妻(同じ職場)も家で、アレ、ソレ、コレ、などと言うようになってきて、よくモメる。
「そこのあれをあっちに入れておいて」
「そこのあれじゃわかんないじゃないか」
と僕は機嫌の悪い顔をする。僕は「ソレ」「アレ」とかがほとんどわからず、イライラしてしまう。
ソレでソレがわからないようでは、僕は随分頭が悪いのではないかと実は悩んでいる。
僕は自分が言われるのは嫌だけど、人に対しては、「ソレ」すら使わずに、オーラを発して感情を伝えようとする。
「楽しい」「不快」「お腹が空いた」「本を買って」「お酒」「疲れた」
などを、ムワッとオーラで発する。
言わせるんじゃないよ、と伝わらない時には不機嫌になる。
『秋収冬蔵』より。
柿の木に梯子そのまま雪二尺
冬の柿の木は、それはそれで渋くて良い。
氷柱なめ立ち止りをる狩の犬
氷柱なめ。
桃の木に桃生り近江うすぐもり
桃の木には桃。近江はうすぐもり。
灯を消して団扇のしろき山家かな
浮かびあがる白。
山涼し首ふるかひこ家ごとに
あちらに蚕、こちらに蚕。
山へ紙ひらひらとんで御祓かな
有名句ですね。ひらひらに神を感じます。「山へ紙」もすごいなぁと。
魚にうつ一と塩の変蟬丸忌
大人は塩。
柿すすりては寝の中へ雪のひる
魚目さんの句の中には、そんな生活してみたい、ってロマン溢れる句があちこちに。渋い大人は冬にこそ、柿をすするべし。
一つ木にしぶきあつめて春の瀧
春の一字にほっこりする。
膝ついて束ねる若布月あかり
月光はまとうもの。
良寛の天といふ字や蕨出づ
代表句の一つですね。昔、良寛展に行った時、手毬の可愛らしさにほっこりしました。
春昼の空より落ちて松葉かな
松葉が天から落ちてくるような感じが良い。
山椒魚(はんざき)に聲かけてあと寒きかな
山椒魚「…寒」
やっと第二句集まで終わりました。
じゃ
ばーい