ぎょぎょ、もくもくもく⑧

2013.9.14青磁社刊行
『魚目句集』より

句集の話ですが、僕は序文、帯無し。先生に相談せず自選で勝手に私家版で作り、完成してから先生に送る、という昔なら破門をくらいそうな句集の出し方を選びました。

何人かの人からは、そんなことをしてはいけない、と説教をくらったものでした。ちなみに同門からは不思議と怒られたことはありませんでした。

句集で賞をいただいた後は、あのやり方が良かったと、説教をしていた人もニコニコするようになりました。

何が言いたいかと言うと、勝手にやって大丈夫だよってことです。

大丈夫、大丈夫。

『天地存問』の続きから。

ものに入りものをはなれて大昼寝

小昼寝、中昼寝、大昼寝。

秋口のひかる砥石をどこで見し

どこかで見し。

はんざきも身を寄せあへる紅葉かな

はんざきもやや冷える頃。

陽炎とつぶやく一会その後病み

つぶやきが揺らぐような。

鯉を煮る山のどこかに雪げむり

鯉はぐつぐつ。鯉は雪と合う。

短冊の書はころころと青ふくべ

書は涼しく、可愛く。

青き葉も落ちくる不思議月のあと

下五の「月のあと」も不思議な。

死とは消ゆること茫々とわらび山

「消ゆること」の静かさ。

日盛りにくさめを一つ古俳諧

ぶへぇ。

伊勢海老の不思議のこゑを秋の暮

伊勢海老「伊勢海老だよー」

顔につく大きな雪や能のあと

好きな句です。「大きな」がすごい。

その時も虚子行く春の堅田より

そういえば、琵琶湖の水中句碑は直ったんだっけ…。

青芒きのふ鶉の走り出で

鶉「よっ!」

虫たべに来て鳥涼し高山寺

目に見ゆるもの皆鳥獣戯画。

やっと第三句集が終わりです。

じゃ

ばーい