ぎょぎょ、もくもくもく⑨

2013.9.14青磁社刊行
『魚目句集』より。

先日黒岩くんと話していて、僕はこんな事を言いました。

句会は、集まって楽しいかどうかより勉強になるかどうかの方が大切で、俳句で苦しむことは楽しいのと一緒なんだから、厳しくやった方が良いんだ、と。

黒岩くんは、麒麟さんの言うのはわかるけど、そうしたら若い子は、どんどん辞めてしまう、と彼にしては深刻な顔をして答えました。

あぁ、そうか、そうなんだなと、やっぱりたまには若い子とも遊んで色んな意見を聞いた方が良いなと感心しました。

その後の話ですが

黒岩くん「今なかなか俳句が出来なくて月50句ぐらいしか、忙しくて」

そうだね、君は仕事頑張ってるもんね、そういう時期もあるよ。

黒岩くん「句会行こうぜって30人ぐらいにメールしてですね…」

麒麟「ん?ちょっと待て、ちょっと待てよ、30人にメール出来るなら、もう50句ぐらい、作れるだろう!」

黒岩くん「…そうですね」

メール出来る友だちがたくさんいる黒岩君が、少し羨ましい。

僕はメール出来る友だちは、指で数えるぐらいしかいないなぁ…と。

『紅爐抄』より。

薪割りのなつかしき汗目に入りし

目が痛いのもまた懐かしく。

鮎掛けの風吹く方に古りし神

神も古りし。

冬の日のわれは酒飲むかれは病む

それぞれの冬の日。

冬の日の昼をぷつんと切れし音

現実のものだろうけど、そうじゃかい感じもするところが面白い。

遠目には闇あるばかり涅槃像

涅槃像が妙に浮き上がって見える。

蜃気楼ここにも虚子のはだかりて

ここに虚子、あそこに虚子がはだかりて。蜃気楼の選択が面白い。

朝寝して買はざりし絵の青空を

買っておけば良かったか、どうか。

春昼の宝づくしの青絵皿

好きな句です。別に何にも言ってない句ですが、春昼、宝づくし、青絵皿、の言葉がうまく響いています。

作り滝見つつのはなし花と月

作り滝は滝だけど、作り滝。

水掃くや鳥の渡りを天上に

上五の涼しさ。

さだまらぬ故人の顔も初しぐれ

初しぐれ。思い出はもやもやと。

初雪やよき橋の名を二つ三つ

ひょいひょいと、気持ちの涼しい句。

むかし塩づくり大きな雪が降り

昔の力強さ、美しさ。

墓に立ちいまも童顔秋の風

童顔へ秋風。

次も句集の続きからです。

じゃ

ばーい