もちろん、思ってます②

2016.7.24 ふらんす堂刊行
池田澄子句集『思ってます』より。

犬や猫がいると嬉しくなります。人の家に遊びに行って犬か猫がいると、ご馳走やおしゃべりや句会なんかも、もちろん楽しいけれど、家に帰って、あぁ、犬触れて嬉しかったぁ、となぜか最初に犬、猫のことが思い出されます。

そんなに好きなら飼えば良いじゃないかと言われるけれど、好き過ぎて、飼うのは嫌。会社に行くのも嫌になるだろうし、病気になったりしたら、心配してこっちも病気になってしまいそう。

ということで、やっぱり人の家の犬、猫を時々触らせてもらおう。

全然関係ない話でしたが、今日は池田澄子さんの『思ってます』の続きから。

じっとしたおたまじゃくしは居ないものか

いないんだな、これが。

親友や降る月光へ顎を上げ

大切なあなた感。美しい親友。

秋の蚊のさやかに脚を垂らし来る

ちょっとすました顔の。

秋の暮ともかく終点まで行こう

いいとも。

寒林や烏つやつや硬そうや

ぴかぴかのつやつやの。

電線の中を電気の去年今年

元気な電気。

蝶になるぞとオデコのツノをしっかりと

ポケモンが流行ってますが、現実の生き物はもっと楽しい。

日輪のぼーっと渡る八重桜

平和にぼー。

春雨やーっと言って笑って橋長し

楽しく、やーっと。

まさか蛙になるとは尻尾がなくなるとは

まさかまさかの。

太陽大切あの人大切初雀

みんな元気でいてくれますように。祈りのような句。

ミンミンの最後のミーンを共にせり

蝉みーん、私もみーん。

夕しぐれ一生一度の絶命に

一度の誕生と一度の絶命と。

来るのはいつも同じ蝙蝠かしら来た

最後の「来た」にわくわくやら驚きやらをギュッとした感動がある。

わが句あり秋の素足に似て恥ずかし

きゃっ、という感じが良い。澄子さんの句は読者の心が弾むようなところが良い。

楽しい句集でした。

じゃ

ばーい