てこなどうかな④

昭和44.4.20 津軽書房刊行
『定本 増田手古奈句集』より

大人になると、様々なイベントがあり、しばしば財政難の月がやってきます。そんな月は慎ましくおとなしく暮らしています。句会も減らし、しんと暮らします。

友だちとあまり遊べないし、本も買えない。お酒も買えるものが限定され、外食も減る。

しんと暮らすのは実につまらない。あぁ、全然楽しくない。

が、悪いことばかりでもない。

買ったけれど読んでなかった本にやっと手を伸ばしたり、やることないから勉強でもしようかと思ったりもする。

一本だけ買った発泡酒がしみじみ美味しかったりもする。

なんかないか、なんかないかと家の中をぐるぐる探していたら、我が家で作った梅酒を発見し、おぉ、君(梅酒)がいたかと。

そんな時のお酒はしみじみと美味しい。

手古奈さんの続きです。

甘へ鳴く鵜の子おかしや口大きく

やがて大きくなる鵜。近所の川にいるけれど、鵜はでかい。口大きく、になんだか感動がある。

夏潮を来るあの船に乗るのかと

わくわく感。

雪の戸の少し開きゐて客出入

そろりそろり感。

かたまりてスキーの子等ののぼりゆく

そして滑る。そう言えば僕は一度もスキーをしたことがない。もちろんスノボもない。足に板なんか固定して雪の上を滑るだなんて、危ないじゃないか、と思ってしまう。安定の橇、橇が良い。

ゆるやかにまわれる塵や猫柳

静かな場所の穏やかな時間。

この園の滝のこだまもなつかしき

この園にしみじみ。

馬上より田植指図や大声に

ちょっと偉い人。

少しづつすすりてうまき福茶かな

福茶だなぁと思いつつ。

温泉の町のねむれる如き三日かな

暇です。そしてどこも営業していません。僕が野宿して(終電逃し等)一番キツかった場所は鶴巻温泉です。二番目は小諸。

もうちょっと続きます。

じゃ

ばーい。