溺るるばかり蛇笏かな③

H.28.6.25 角川ソフィア文庫

『飯田蛇笏全句集』より。

妻の母校の先生との鍋会、という不思議なイベントが一年に一回あります。

大学の先生達に色んなことを聞くのが実に楽しい。それはそれは馬鹿みたいなことを。

先生、蟹は穴から出て、自分の掘った穴じゃない穴に帰ることはありますか??

とか

先生っ、鮫は味覚があるそうですが、食べながら栄養価の高い魚がわかったりするものですか??

とか

先生ーっ、70年代にハワイでメガマウス(鮫)が発見されたそうですが、あんなデッカいのになんでなかなか発見されなかったんですか??

先生達は優しくなんでも答えてくれます。大人になると、ますます、世界が不思議だ。

さ、蛇笏の三回目です。

春浅き人の会釈や山畑

まだ寒い頃の甲斐。

人々の眼のなまなまし涅槃見る

へぇー、ほぉー、っと。

みめよくてにくらしき子や天瓜粉

こいつぅ。

われを見る机上の筆や秋の風

筆「さぁどうした、書いてごらん」

古りゆがむ秋の団扇をもてあそぶ

手がさみしくて。

折りとりし花の雫や山桜

この句は山桜の方が良い。

いとなみて月夜ばかりの子規忌かな

月の頃の。いとなみて、とは綺麗な上五。

ひとり住むよきゐどころや古炬燵

好きな居場所。

生き疲れてただ寝る犬や夏の月

老犬の感じが出過ぎている。

流燈や一つにはかにさかのぼる

ゆらっと。

ゆっくり読んでいくと、蛇笏のユーモアみたいなものがじわじわっと感じできます。

じゃ

ばーい