溺るるばかり蛇笏かな13

H.28.6.25 角川ソフィア文庫

『飯田蛇笏全句集』より。

テレビでは24日ぐらいから、お正月は海外で過ごします、とか旅行です、なんてニュースがよく流れる。

毎日毎日流れる。

僕は毎年31日まで仕事だから、関係ない。

関係、ないんです。はぁ…。

『心像』より。

打水のころがる玉をみて通る

玉が見えるよう。

洗ひ馬背をくねらせて上りけり

背中で語る馬。

山行きて花おびただし墓詣

山の花。山国の墓。

大つゆのながるる墓や朝詣

これも好きな句。

鰭ふつて秋めく錦魚人をみる

秋ですな。

金魚玉秋雨ことにひびきけり

秋の雨より秋雨。

蠅のとぶ薄暑の草を刈りにけり

刈ってはとび。刈ってはとび。

家を去る柩のはやき冬日かな

その後のぽかんとした家。

百姓は地にすがりつく霞かな

「すがりつく」が激しい。

谿せまくさしかはす枝や椿咲く

山の椿感。

てうつしにひかりつめたきほたるかな

表記の明るさに灯を感じる。

雪晴るる畳に針をひろひけり

畳にも清らかな光が。

次回からは『春蘭』に入ります。

じゃ

ばーい