2016年12月27日

口紅をつけぬくちびる鳰の岸

随分前の話だが、夏の間息子と留学をするママ友から亀の亀吉を預かった。
餌やりと水替えをしてくれたら、後は何も面倒はないですからと。
そして玄関に置いて、餌をやりすぎないようにと私なりに注意をしながら
飼い始めた。まだ犬がやってくる前の話。
そのうち、夫がいってきます、ただいまと亀に話しかけ始めるようになり、
なんと亀も首を伸ばして答えるようになっていった。
亀が何かを話している。
と夫がいう。
まさかー。
でもそういえば、きゅいーんという声がする。
それも話しかけた時、限定である。
実は亀の亀吉は我が家が勝手に名付けた名前。
まさか話すとは・・・
夏が終わり、亀吉は無事、友人宅へ戻っていった。
それから夫が単身赴任になり、犬が来て俳句を始めた。
そして見つけた「亀鳴く」という季語。
説明には『春ののどかな昼、あるいは朧の夜に亀の鳴く声が聞こえるような気がする。亀は実際には鳴かないが、俳句の季語として親しまれている』

いや・・・亀は鳴くよ。