1990.2 沖積舎刊行
『原石鼎全句集』より
どこにでも居て知り合いがたくさんいるかのように言われることが多いですが、案外そうでもなく、知った人の居る、居心地の良い場所にしか行かずに生きてきました。知らない場所に行くのはちょっとした勇気が必要だと思いますが、それが僕には少ない。
そうすると、新しい友だちが増えない、という問題があります。
最近とある俳句イベントに勇気を出して行ってみたのですが、たまには出かけるのも良いなぁと思いました。久しぶりの懐かしい人や、初めてお話出来た人がたくさんいて、楽しかったなぁと。
磐井さんを無理やり誘って、とても良いメンバーで二次会に行って、あーだこーだと楽しく過ごしました。こういう時に頼りになるのは田島さん、陽気な話題と熱い俳句の話題が良いバランスで飲み会が盛り上がります。
そして、居酒屋にジャケットを忘れてきました…。
そして、田島さんは終電を逃したらしい。
夏ですなぁ。
石鼎の続きです。
昭和十二年
春ぬくきこころにそへり庭のもの
庭のものたち。
いぼむしり奇妙なふりをふとしたり
世に奇妙ないぼむしり。
夜の蟬電気の紐にとまりけり
その名も電線。
幹ひとつに一つづつ秋のかたつむり
少し冷えているかたつむり。
昭和十三年
山茶花ややすまるひまもなき人に
栄養ドリンクとかにこの句を付けて欲しい。
木の葉髪指もてよせてすてにけり
集めて捨てて。
昭和十四年
竹林に透く空青し冬の蜂
冬の蜂にだけある清潔な感じ。
昭和十五年
炙り鮎金色(こんじき)のいろにまるまると
金色を食らう。
蚊帳に寝ねて昼ながかりしおもひかな
夜が好き。
見るうちにまぶしくひかり雲の夏
夏の雲じゃなくて。
西空に明るき雲や星の秋
秋の星じゃなくて。
あと少しで終わりそう。
じゃ
ばーい