六大家って知ってっか?川柳の話だよ 「第7回 待ってましたの麻生路郎3」

橘高薫風編『川柳全集2麻生路郎』構造社出版、昭和者54
「川柳雑誌」「川柳塔」1000号記念出版『麻生路郎読本』川柳塔社出版、平成22

先日大阪に行ってきましたー、いやぁ食べ物が美味しい、良いとこです。
今回は川柳の樋口さんに大変お世話になりまして、一日中大阪で遊んでいただきました、ありがとうございました!

樋口さんは話も面白く(俳句の話も川柳の話もポンポン返ってくる)、とっても気持ちの良い人で、そしてなにより酒が強いところが素敵でした。昼にカレー(美味)を食べながらのビールから始まり、じゃんじゃん横丁で串カツ(美味)でビールに日本酒をガバガバ、酔った状態で久留島君(関西)を無理言って呼び出して(ごめんよ)、まぁ久留島君来るまでにと、刺身(美味)を食べながらもう一軒ガバガバ飲んで・・・。
やぁやぁ、くるしまくーん、と久留島君が来てくれた時には僕はもうだめな感じでした。久留島君の第一声は「きりんさん足にキテるじゃないですか」でした。
樋口さん(お酒強い)とご機嫌な僕(足にキテる)は「日本酒の良いやつ、が、飲みたいのよー、くるしまくーん、どっか知ってるー?」とかなり迷惑な注文をつけ、あわれ久留島君は僕を支えながら(足がプルプル)とても居心地の良い美味しいお店に連れて行ってくれました。
で、そこでまたグビグビ飲みながら、わーわー俳句やら川柳の話をさんざんしました、ごめんね、あまり覚えてないけど、すっごく楽しかったです。
解散して、冬蜂のごとくよろよろの僕を支えつつ(介護に近い)久留島君はなんと僕をホテルまで送ってくれたのでした・・・。

久留島君・・・
ほんとごめん、きりんのへや使って言う事じゃないけど(最近悪用している)、
ほんとごめん、ありがとう!お世話になりました!でもまた遊ぼうね!

その後、ぐが~と寝てひょっと三時(朝よ朝)ぐらいに目が覚めると、携帯電話に芭蕉兄さん(仮名)から着信が六回も・・・、そして、きよ子姉さん(仮名)から「電話にでんわ」と言う題で、電話に出てあげて、とのメールが・・・。
いやいやさすがに寝てましたよ、すみません、とりあえず二回も入ってる留守電を聞いてみると
「きりん、電話にでなさいよ、ブツブツ・・・」
と入っていました。
二回目の留守電には
「おい、きりん、良い度胸じゃないかーあはは」と芭蕉兄さん
「ちょっとやめなさいよーもう」ときよ子姉さんの声も入ってました。
僕は夜中の三時に爆笑していました、なんだか嬉しくなっちゃいまして、四回ほどその留守電を聞いて笑い転げて、ほんとよく寝れましたとさ、みんなよく飲むなー、タハハ。

あ、なんの話だっけ、オッケー、オッケーわかってるさ、川柳ね、川柳やるやる、さ、今週も麻生路郎やるぞー!

知らぬまに 靴が みがけてあるもよし

嬉しくって一日ご機嫌、奥さん大好きな亭主関白って微笑ましい

君も征くか 足もとから鳥が立つように

これは戦争の時の句、水府や三太郎の句は誰がどう見たってうまいんだけど、路郎の句は、じわっと泣ける、優しい人だったんだろうなぁ、好きだぜ路郎さん。

又飲みにゆくよと 君を送るなり

良いなぁ、泣けてくるなぁ、男は、じゃあな、おお、またな、って別れるんです

だしぬけに 鐘の鳴るのも 旅のこと

牧水みたいなカッコ良さがありますね、水を飲んでも酒を飲んでも旅なら楽しい。

せんべいの薄くなつたを鹿も知り

シケテやがんぜ

さう聞けば国宝らしい光りやう

前書きは正倉院、あはは、確かに、さう聞けば、とぼけてるなぁ、僕らも歌枕なんか行ったら、大抵、あぁさう聞けば、という感じですね。

女が下車(おり)たので岩波文庫読む

カッコいいー!女が、ってとこが昔男で良いなぁ。

文化勲章人間いやになる頃に

早めにたのんます、もらうぐらいに偉い人って案外、今さら感があるのかも。

余所の奥さんを 観賞してるうちに着き

じろじろ見てるわけじゃない、観賞しとるわけです、タハハ

生み落とされて七十余年をウロチョロす

結構長々ウロチョロします、これ楽しくて好きな句

昔とは父母のいませし頃を云い

そうだね、ジーンとします、あ、僕まだ両親元気だけど。

デザイナーの間違ったのがはやり出し

ガガ様的な、東京に来たばっかりな頃、下北でガンダムみたいな尖った靴を買ったけど、もうあんなの履いてる人あんまりいない・・・、ちなみにつま先が裂けてしばらく輪ゴムでとめてたけど、やがて捨てました・・・。

俺だ俺だよと銅像云いたそう

市長とか先代の社長とかの銅像ってなんか可笑しい、あぁいうのは本人やその家族が喜ぶものだから良いんだけど。

振り向けば やつぱりついて来る妻よ

きゃっ、路郎さんほんとに奥さん好き、こんな句を照れずに作ってみたいもんです、いやいや照れるよね。

滅私奉公だなんて云つていたボス

冗談じゃないぜボス

さて、最後に路郎さんの言葉を引用します

駄洒落や穿ちばかりが川柳の畑ではない、耕してさへ行けば川柳の畑は幾らでも広がつて行くに違ひないと私は思ふ。此の問題を私は川柳作家の人格の上に求めたい、人格の低い人には人格の低い川柳しか生れない、これに対しては何人も異論はあるまいと思ふ。

「百萬石」No.25(大正10、3)より
注、きっと手に入らないけど「麻生路郎読本」で読めます、すごいや「麻生路郎読本」!

さぁーて、仕事にでも行こうかな(今小田急線です)、そいじゃ、バーイ