麒麟の好きな長谷川櫂

あれ?もしかして・・・、きりんのへやって今回で・・・

50回!!

わー、やったね、おめでとー、いつも見てるよ、麒麟さんの俳句も文章も人柄も全て好きよー!むしろ結婚したいぐらいに。

とは誰も言ってくれないから自分で書いてみる、いやぁよく書いた、ね、頑張ったでしょ?と自分で書きながら、実は1000回を目指していて、それぐらいならいけるんじゃないかと思ってます。
村上さん家で飲んでいる時も、村上さん家で荒れてた時も、村上さんから梨をもらった二日酔いの帰り道も、村上さん家から帰っている途中で新宿の路上で吐いていた時も、ずっと、きりんのへやのマクラ、いや、何書こうかなぁと考えていました。(いや、申し訳ないです、いつも尊敬しとります)

あ、ここで一つお詫びを、以前本屋さんで天気さんとバッタリお会いした時に、うぉぉぉっ!と叫び怯えきった対応をしてしまい、大変失礼してしまった事があるのですが、あの時実は、きりんのへやのマクラを三パターンぐらい考えてる最中で、急に知っている人にあって脳を現実に戻すのが大変だったんです、失礼しました、別に天気さんだから怯えたわけじゃないんです、すみませんでした。

さーて、50回記念という事で何やろうかな、あ、今日の麒麟が選ぶ、長谷川櫂50句ってどう?うんうん、良いじゃん、それ、50回記念なんだから身内大好きみたいなの書いても許してくれるよね?

うんうん、良いよ、大丈夫、俳人みんな優しいよ、悪口書かないよ(天の声)

よーし、じゃあやるよ、今日はスペシャルキリンじゃい!

・・・ところでどうですか?僕の師匠、長谷川櫂、好きですか?
僕は好きです。どのくらい好きかというと、一度だけ電車の中で隣に座った事があるんですが、このまま死ぬかと思ったほど好きです。あ、キモーイと声が聞こえた・・・、ウッセ!

そんじゃまぁ、「今日の麒麟が選ぶ長谷川櫂」始めようかねー

からからと雨戸を廻す杜若

不思議と雨戸の音がよく聞こえます

雪空に吸はれてはまた海の音

空がキーンと冷たい、海も波も

黒きまで澄みたる水に寒蜆

初期の句の特徴というと、みんな、黒きまで澄んでます、触ったら切れそうなぐらいです

雪の山車中に鮨のにほひして

このお鮨、美味そうなだけじゃなくて、きっとすごく綺麗

運ばるる氷の音の夏料理

カラカランと「よき」音

星空や葛の峠を越えてきし

スタンド・バイ・ミーぐらい夢がある

灯のいろを踏めば氷や鬼やらひ

これはわりと有名かな?氷の薄さ、灯の色の淡さが繊細で良い

へうたんを酒もて磨く山桜

そんなジイサンに私はなりたい

いちじくの葉かげは青し昼寝覚

先生、昼寝の句多いんです、ものすごく気持ち良さそう

すき焼や浄瑠璃をみて泣いてきて

美味そう、泣いてすっきりして、好きな焼きを食べる人間の可笑しさ

命ごとぶつ切りにして桜鯛

最高にいきいきしたぶつ切り

沢蟹をかりりと焼くや山の秋

あぁ酒飲みたい

馬追や灯のもとにきて草のいろ

灯も馬追もやたらと綺麗

鍬の跡ざつくりとあり衣被

あ、これ好きな句、人の手を感じるところが良い

山が山を恋せし昔初霞

そんな時代もありましたか

男と女昔のままに魞をさす

確かこれらの句が載ってる俳句研究を読んで、うーん、2005年12月ぐらいだっけな、この人の弟子になれば絶対学べると思ったのを覚えてます

花売の一桶はみな芒かな

花よりも美しい芒、そんでもってもっと美しいのはこの花売

初花やはらりと咲いて次々に

一番好きな句集は「松島」です。これなんか、良い「予感」がするところが良い

糸ざくら花から花のこぼれけり

なんでもないんだけど、飽きないし春になると思い出すんだよなぁ

淋しさの底より湧ける泉かな

あ、僕今かなり湧いてます、もうジャンジャン

云ひたいだけ云はせおく団扇かな

これこそ長谷川櫂、こういう空気を読まないとこが好き、人の悪口ばかり言ってても俳句うまくなんないしね

撫子を斧もて削るごとくせよ

「さて、句作りは」と前書きが。えぇ~、斧で!?

あきらかに恋をしてゐる猫のかほ

ニヤケちゃってまぁ

色悪に生れついたる浴衣かな

新之助、海老蔵を襲名との前書き、浴衣に色気がよく出てます、悪い奴はモテる

箱ふぐは箱呑みこみしごときかほ

確かに

この国に新茶を贈るよき習ひ

確かに

鯛焼やかすかに命あるごとく

確かに(別に疲れてきたわけじゃないよん)

蘭鋳の立ち泳ぎまた横泳ぎ

これ大好きな句、面白くないですか?なんじゃこりゃの面白さがある、蘭鋳は泳ぎが下手というところが可愛い

ずばずばといふことのよき団扇かな

言うのもまた優しさ、という事に

涼しさのぶらぶら歩き嵐山

ぶらぶら歩き!?いや楽しそう

蘭鋳のいよいよ元気けさの秋

でた、また蘭鋳!丸い感じがよく出てます

天と地と人のつくりしメロンかな

メロンかよ!?

湖の鰻幾万冬眠中

冬眠かよ!?(サマーズ的な)

よろこびの稲妻となり走りけり

これも好きな句、よろこびかぁ、走ってます走ってます

よきかほの鶯笛をえらびけり

全部同じではないらしい

人知れず昼寝してゐること楽し

そりゃ楽し

蛤のかたちの最中水温む

水温むが妙にハマってます、タハハ

恐ろしき顔となりゆく熟柿かな

ぎゅーって感じのね

東京を西へ東へ焼芋屋

そりゃそうだけどさ

すやすやと眠る子猫を盗みけり

うわぁ、子猫の可愛さが可哀想

瓜盗むごとくに女盗みけん

うわぁ、女盗人であらせしか

須佐之男の留守を預かる子猫かな

子猫かよ

熱燗やガサツな奴が大嫌ひ

川崎展宏さんの追悼句の一つ、酒飲みが嫌いな先生が酒飲みの展宏さんを尊敬していたところが興味深い、そこにはどんな会話があったんだろう・・・。

恋猫の心ずたずたなるもよし

猫だってね、つらいのよ

朝寝して我一介の馬鹿息子

気持ち良い朝寝、良いなぁ。月曜日だったらもっと良い

教室を草原と思ふ昼寝かな

わぁ、気持ち良い、そんなに良い昼寝ここんとこしてないなぁ

函は捨て帯は破つて本涼し

うおっ、何してるんですか!!

いい人といはせておくか懐手

俳人はタフでしたたかでないと

目刺焼く孤高の人となるなかれ

お言葉ですが、先生には孤高であっていただきたい、そこがカッコいいと思います。

鹿の子と思つてゐしが麒麟の子

わぁ、なんだこの句、長谷川櫂の句の中で一番良いじゃないかー!!名句だ、うふふ、テヘ♪

どうでしょ、50回記念という事で、師匠の句について書きました、次週からはまた通常です。さ、きりんのへやって何回続くのかなぁ、僕にもわかりませーん。そんじゃ、また、バーイ

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