2012角川俳句年鑑を読む
さぁみんなスペシャルキリンだよ、オーケー、yes、スペシャルな気分だね、そう、今日はクリスマス、ね、みんな楽しんでるかい？あはは、そうかいそうかい、いぇー♪プレゼントなんか買ったりして？bagとかringと送っちゃったりして、へー、そう…、浮かれちゃって、まぁ、へぇ、クラッカーぱんって？
ははは、そりゃやりすぎだよ、オケー、アメリカーン、ふふふ、へへへ、タハハ、TAHAHA ？
…いや、僕、仏門なんで、ねぇ
南無南無ってさ、いやもうなんていうか木魚好きだし自分、嘘じゃないし
きりんのへやで忙しいし、泣いてないし、寂しくないし…
…ごめん、うそ、ちょっとだけ寂しい
なんて言わなーい、絶対言わなーい、絶望が僕のガソリンなのさ！
ということで、俳句年鑑の諸家自選五句を読んでいきます、他にクリスマスにやるべき事があれば教えて欲しいもんだね、さーて読むぜ、心中の木魚をポコスカ叩きながら
さ、出発っ！
麦秋やどこかに深い落とし穴 あざ蓉子
辛い時に入るところ、そして誰かに迎えに来てもらいたい、「もう、きりんさん、馬鹿ね、今夜はあなたの好きなキムチチャーハンよ」
亀鳴くや地動説身にしみました 安西篤
僕は人の世がしみてるぜ
ホームセンターぽつかりとある刈田かな 相子智恵
やたら目立つ、あぁなんか信州っぽい、思い出すなぁ、コンビニの駐車場超広い、的な
雲にある水の厚さや花曇 相子智恵
あー、花曇ってこう詠めば良いんだ！相子さんの俳句は真ん中に速球を投げて打ち取るような気持ちよさがある、僕は変テコな投げ方で初球にナックルを投げてごまかそうとするから駄目なんだ…
相子さん、キリンクリスマース！
巣箱程の仏壇を買ふ春夕べ 赤尾富美子
命の持つあわれときらきらを同時に表現できてます、春夕べの「春」が効果的
詩をつくる子へ傷のなき林檎剥く 明隅礼子
僕なんかもう腐るちょっと前ぐらいだぜ
住宅に囲まれてゐる茄子畑 秋山未踏
普通に幸せになりたいなぁ
水潜らせて陶枕は雨の夢 天野小石
今年出た小石さんの句集『花源』はもうほんと良かった、読んでない人は絶対読んだ方が良いよ、小石さんは、泉鏡花の世界のような、「綺麗過ぎる」が誉め言葉になる数少ない俳人、だって見てよ、良いでしょ、雨の夢よ？きらきらしてます。
小石さん、キリンクリスマース！
桃喰うて 真昼の夢をむさぼつて 伊丹三樹彦
むさぼりたい、夢も現実も最低な方が楽しい
股引をもう見られてもいい齢 伊藤伊那男
とか言ってはみるけど、枯れてないとこはろが良い
餠二つ焼けてからまる引きはなす 伊藤通明
いや、もうくっついちゃってさ、あぁ…、というような俳句がこの頃大好き
アマリリスあしたあたしは雨でも行く 池田澄子
アマリリスも「あたし」も雨も長靴も「あなた」も全部きらきらしてます
棒として引き上げらるる疲れ海女 石井いさお
かなーり疲れてます
晩年に出家ごころや西行忌 板谷芳浄
わかる、晩年遠いけどその気持ちわかりまする
万緑のかたまりとして山を見る 稲畑汀子
デカイっ！
空蝉と書きかけてふと空爆に 今井聖
なんでよ！？絶対間違わなさそうなところが良い
ゆるやかや間もなく花の坂となる 今井千鶴子
「ゆるやかや」がとってもやわらかで良い、ゆらゆら優しい
天高きまま満月の空となる 岩田由美
蹴鞠をぽーんと上げたような月、岩田さんの俳句は大きく詠んでも絶対に雑にならない
地獄とは柘榴のなかのやうなもの 岩淵喜代子
地獄は危なげだけど美しい
元日と一月一日は不同 宇多喜代子
不同なり！
手を組めば指おとなしく年守る 小川軽舟
紳士なり！
雲の奥かがやきてあり雲の峰 小澤實
命のようなもりもり感がある
山笑うまえから馬は笑つており 小宅容義
エヘヘ、馬が可愛い
猫借りて日永を鳴かれゐたりけり 大石悦子
あ、そっか、借りてくれば良いんだ、猫とクリスマスを過ごしたい
猫のしやつくり猫の放屁やあたたかし 大木あまり
猫ならば全部愛す、きりんの放屁を愛してくれる人はいないものか
ジングルベール♪ジングルベール♪
うっせ！
晴れわたる東京にゐて柏餠 大木あまり
東京をこんなに美しく詠んだ俳句が他に思い付かない、大好きな句、柏餠も白くて、でもぺたっとした白ではなくて、とっても良い感じに白い
地震のときどこにゐたかと新茶注ぐ 大久保白村
答えて曰く、俳句文学館(皆さまあの時は本当にお世話になりました)
鷹柱いつぽん予約しておかむ 大島雄作
三年先までいっぱいだよ(人気の旅館的な)
墓山に墓の数ほど烏瓜 大坪景章
最近岸本さんじゃないけど墓が好きになってきました、なんかこう、ほっとします、最近苦手なのはデパートのエレベーター、知らない人と密室でぎゅうぎゅうなのが嫌、とかいう話は俳句と関係ないけどさ
おのれクリスマスに浮かれるカップルめ！俳句年鑑でも読め馬鹿野郎め、ぺっ
ゴルフ場二十万坪鴬鳴く 大橋晄
こういうなんなんだよ、的な俳句こそ意外と飽きずに眺めてられる、こう、盆栽を愛すみたいな(最近ハマってるのは盆栽です、この前盆栽の総合誌を購入した)
すこしづつ餠食べてゐて元闘士 大牧広
可愛い、こういうのも一つの幸福だと思う、幸せになりたい
黒南風の海よ人間返しなさい 大牧広
軽く詠んだ事によって、心が針でツンとされるように痛い、そしてやっぱり重い、大牧さんの俳句がもっともっと読みたいなぁ、参考にしたい俳句が山ほどある
薫風や船に女の名をつけて 太田寛郎
「る理号」とか特殊潜水艦みたいで良いな
どこともなし品あるこぞこの花は 加藤郁乎
わからなくても、調べても読みたい数少ない作家が郁乎さんだと思います、僕は基本的には「わかる」俳句が好きだけど郁乎さんは大好き、今後も旧派俳人やまだ見た事もない文人俳句やらが載ってる本で出たら嬉しいなぁ、郁乎さんの本だけは高くても買いたい。
ゆふざくら六時前とはいい時間 加藤静夫
とってもよくわかる、いい時間です
割り箸のあらかた湿り海の家 櫂未知子
何にも言ってないけど、とても海の家らしい句、ラーメンとかさっと出てきそう、箸湿ってても美味しそう
草市や束ねて淡きものばかり 櫂未知子
綺麗もあわれも命も淡い、そして淡いは美しい
ががんぼの脚がグラスを離れない 柿本多映
うわー、結構嫌
紅梅のおづおづと咲き未知の老 鍵和田ゆう子
未知の老でありたい、少しわくわくするものだと良いな
赤ワインとか買ってんじゃねぇぜカップルども！俳句年鑑読めよこの野郎！ぺっぺっ…
…幸せになりたい、サンタさん
炎天を来て地獄絵のさらし首 柏原眠雨
駄目押しで、敢えての
日傘たたむ日傘に視線感じつつ 片山由美子
素敵である事も素晴らしい
へこませて鶯餠となりにけり 勝又民樹
シンプルで明るく楽しい、それはとっても素晴らしい
くちなはのうつとりと鳥絞めにけり 角谷昌子
残酷は時に美しい、くらくらするような時間
狼が笑うと聞きて母笑う 金子兜太
にんまり。百点の笑顔
予約告げバケツ一杯落鮎買ふ 河野頼人
もうわんさか
メリメリクリスマ～ス♪
うっせ！南無南無！南無南無南無…
ことごとく虫落ちてある残暑かな 如月真菜
なんだかぐったりなのが残暑、そんな感じがよく出てます。
このへんの会社の人か泥鰌鍋 岸本尚毅
どこまで本気なのか全く掴めないところが岸本さんの魅力、全力で抜けてる、160キロぐらいの球を投げそうなフォームで、ど真ん中に超遅球、みたいな凄さがある
音かすかなる飛行機や柳散る 岸本尚毅
ほとんど全ての俳句はどこかで詠まれた事のある俳句かもしれないけど、それでもまだまだ、絶対に、俳句には余白が残っているはず
夕星や鯨ぶつかる音がする 小島健
静かで大きくて美しいのはきっと、夕星を持ってこれたからでしょう。
子を背に乗せたる父の平泳 後藤比奈夫
強くて広いのが父の背中、あ…そう言えば僕泳げないんだった…、別に子も居ないけどさ
ガーベラのラの埋もれたる苗札ぞ 神野紗希
あ、そういうのは浮かばない、ってだけではビビらないけど、プラスでキチッともしていると、少しビビる、「苗札ぞ」の納めかたが見事。
へい、サンタさん！この一年良い子ではなかったけど、わが家にも来てくださいな、頼むよマジで…
鳥の巣になんぞやはらかなもじやもじや 佐藤文香
あれ？この人こんなんも詠むの！？って俳句を見つけると嬉しい、方法は色々あるとおもうけど、それぞれが俳句で攻める事はとても大事だと思う。
今すれ違った男性三人組、「だってあいつの彼氏、エリートでイケメンだもの…」
僕は人間の小ささが好きだ、駄目でケチでみっともなくてもうだうだ生きてる人を愛そう、メリークリスマス！
絵踏する女こつちを見てをりぬ 阪西敦子
デタ！あつこ姉さん、すんごい見てる
初袷腕掴まれやすくをり 阪西敦子
デタ！あつこ姉さん、めでたさと色っぽさと
直線も持つてをりけり柏餠 阪西敦子
デタ！あつこ姉さん(良いんだよ、何句載せたって)、柏餠がにゅーっとでかくて白くて良い、虚子がぬー、としてるならあつこ姉さんはにゅーっとしている
はい、姉さんキリンクリスマース！
ジングルベール♪ジングルベール♪ふふふ、クリスマース！いえすっ！クリスマース！ほらっ楽しい楽しいクリスマース♪
………けっ
南無南無南無南無南無南無…
スピカ三姉妹へ、やるって言ったわりに目がしょぼしょぼしてきたから、続きは別の時で良い？みんな何してるのかな？ケーキ食べたりなんかしちゃったり？
…コンビニ行ってこよっと
じゃ、俳句年鑑まさかの挫折(ほんとは500人一気にやろうと思ってた)ですが、続きもまたやるので今回はこんなもんで…
幸せは人それぞれあって良い、クリスマスに友達へ電話をかけまくって誰も出てくれない、そんな終わってる人生こそ僕は愛そう
じゃ、バーイ