そ~れそれそれ植物祭~♪その2

                                                 新学社近代浪漫派文庫39前川佐美雄/清水比庵 2007.2株式会社新学社発行

最近シャワーが長い、せっかく早く起きてるのに、いつもいつもバタバタばたばた駅まで走ってるのはシャワーが長いからだ、しかも熱め、かなり熱いシャワーを好み、お湯を溜めるのが面倒で、ずーっとうずくまりながらシャワーを浴びています、ガス代?すんごいよ、飲み代なんか可愛いもんよ、ってほど高い、でもやめらんない…

毎日毎日起きて電車乗ってタフマン飲んで働いて働いて電車に乗って帰ってくるわけで、僕なんかあまり働かないので、ストレスなんか少ないはずですが、それでもどうも

「嫌だ嫌だ、あー嫌だ嫌だ、あ、ほんとに嫌だ、たまんねぇなぁ、やるせないなぁ、あと何年さぁ、ねぇ、どーすんのさ、あぁあららら」

という思いがふつふつ湧いてくるもんでして、自分が嫌な人間に育っていくのが怖くて、毎朝シャワーをじゃばじゃば浴びているんです。いやぁネクラですねぇ、怖いですねぇ。

「怖いですねぇ」が天才によって、ガバーっと豪快かつ美しく吐き出されたものをくるくるポン!っとまとめたものが『植物祭』だと思うのですよ、僕。

僕の友達はちょっと優しめに見ても97%ぐらいはネクラだと思います、隠したってだめだめ、わかるもの、「浅野いにお」とか大好きでしょ?「つげ義春」とかたまらんのでしょ?学生時代に『ドグラマグラ』読んで、ニーチェ読んだりしてにやにやしてたでしょ?卒業したら「そういうの」は何にも役に立たないと気が付いて、アレっ、アレアレアレ…、と迷子になったように寂しかったでしょ?よーし、わかった、みなまで言うな、オッケ、君はネクラだ、そして僕のfriendだ、共に読もう、あ、そっれ『植物祭』♪もいっちょ『植物祭』♪

…、朝から僕は何を書いているんだろ、うーん、ねぇ、あほーだわ…、きりんのへやを書くようになって、アイコさんがメールをくれる時に、元気ですか?と書かれる事が増えました、アイコさん、僕元気ですよ(最近飲んだばっかりだけど)、さ、てと、読もうかな

われのこの寝がほがあまり恐すぎてゐたたまらぬと母はなげけり

あぁ母さん、愛して

青空をながめてをればおのづから苦しみの胸もひらけて来なり

「ひらけて」という表現が並じゃない、心が苦しいと辛いのだけれど、ふっとこんな歌が作れる可能性があるのかも、でもやっぱり幸福でありたいな…

こころよく笑みてむきふるわれを見て組みし易しとひとはおもふか

な、なめんじゃねぇぞ!という心大切

眠りてもいかりのこころとけがたく夢にいかりていくたび覚める

こ、このやろう!という心も大切、少しだけ、心に獣を飼いましょう

何もかも滅茶苦茶になつてしまひなばあるひはむしろ安らかならむ

月曜日の満員列車の中で靴を踏まれたりすると、この歌を思い出すんです

死をねがふ我をあざける友のこゑ聞きたくなりてききに行くあはれ

23、4歳ぐらいまで、「あぁ死ぬ、もう死ぬ死ぬ」と言うのが口癖で、多摩川で芒を見ながら(僕の他はホームレスのおっちゃんとかしか居ない)、田舎の友達に電話をするんですよ、僕は優しい友達にしか電話をしないため、皆、なだめたり怒ったりしてくれてですね、そういう友達は大事だと思うわけで…

おのれを殺すに慣れて生きをれど生気地なしとは死にても思はず

今日も明日も明後日も、良い事なんてないかもしれないけど、それでも畜生と生きている人が好きです

悲しげな恩義を知らず買はされて今は抜き差しもならずなりゐる

コップ酒をやりましょう、合言葉は畜生

君などに踏み台にされてたまるかと皮肉な笑みをたたへてかへる

家に帰って筋肉少女隊の歌を聞きましょう、そうだね、「戦え!何を?人生を」と言う曲が良いでしょう、僕半分ダメになってた時によく聞いて、よく泣いてました

死ね死ねといふ不思議なるあざけりの声が夕べはどこからかする

カラスのカァーカァーぐらい自然と死ね死ねと聞こえる事もありますが、僕はそんな時は、成富(美味しい蕎麦屋)に行ってあったかい蕎麦を食べます、あったかいもの食べましょう、元気出るから

青白く壁にうつれるわがかげも朝がゆゑに見なければならず

あぁ頼りない僕のかげ、さぁ今日もそこそこで良いから頑張りましょう、タフマン飲んでさ

鶏のたまごがわれて黄なりしを朝がたさむくひとり見てをり

これ結構美味しそうな歌に見えるんですが、皆さんどうです?詠んでる本人は、あー、今日が始まる、ぐらいに思ってるのかもしれないけど

押入のふすまをはづし畳敷かばかはつた恰好の室になるとおもふ

有名なヘンテコな歌、「かはつた恰好の」がなんとも言えない不思議な魅力、リズムが良いのかなぁ

押入の暗がりにでも入りてをらざればとてもたまらじと思ふ事あり

やってらんないわよ、ほんとにさ

穢(むさ)きものみな押入につめこんで室のまんなかに花瓶を持ち出す

僕も部屋が汚いからそうしよっかな、うん多分そういう歌じゃないんだけどさ

もういちど生れかはつてわが母にあたま撫でられて大きくなりたし

「撫でる」というのが、愛を欲している感じが強く出ていて、なんだか泣けてしまう

なみなみと水を堪へて顔をあらふとてもすばらしく気が晴れてをり

あ~、すっごい気持ちE~!な、何があったんスか?死ね死ねとか詠んでたのに、やはり「すばらしく」が並じゃない表現

天気ぞといふひとこゑに飛び起きて洗面に行くぞたのしきなり

ひゃっほー、いえーい♪佐美雄さんの歌は時々元気

ぞろぞろと鳥けだものをひきつれて秋晴の街にあそび行かたし

はい、出た、有名歌!佐美雄の、というより全ての短歌の中で最も好きな歌のひとつ、この楽しさと異常さがたまりません、キリンが先頭で鳥けだものがぞろぞろ付いてくる、ってのもまた良い

良い歌が多過ぎてなかなか進まないけど、そういうのが一番楽しいんです、そんじゃ皆様、バーイ!