1992年8月角川『俳句』創刊40周年記念BIG対談「俳句・愛情・結社」阿波野青畝 加藤楸邨
たまには(?)サクッと書いてよかですか?
ヨカヨカ。
じゃあお言葉に甘えて…
30分で書く!宣言します、僕会社行く前にこれ、あと30分で書きます!
そりゃー、マッハ打ち(スマホを)、アタタタ!痛っ、指痛っ!いくぞー!ほい!
92年の角川『俳句』に載ってる、楸邨青畝の対談です、いや、もうほんと豪華な対談、さて会社に着く前に書きあがるかなぁ…
阿波野 ええ、もう年とりましてね、からきし元気ないですわ(笑)
かなりBIGな(笑)
青畝と楸邨、この二人今回の対談はものすごーく楽しみだったらしく
加藤 私も話が具体化するにつれてわんだんだん距離が近くなりましてね、若いときと同じで、胸がドキドキするという感じ、これがやっぱりありますよ。これはありがたいことだったと思います。
この胸がドキドキ、が楸邨の力の源だと思います、僕らももっとトキメキましょう。
この対談の頃、二人とも、角川『俳句』に毎月12句を発表していて(豪華!)お互いの作品がとても気になっていたらしいです。
加藤 青畝先生の『俳句』へお出しになる十二句を拝見していて、気になるんですね。
阿波野 ハッハッハ。
正直過ぎる、僕らも好きな人には好きと言いましょう、さらに
加藤 気にしなきゃいいじゃないかと言われますけど、そうじゃないんです。やっぱり気になるんです。
ほらほら、僕らもこんな気持ちを忘れてはいかんのですよ、こんな大作家でも、うわ、今月の青畝先生の俳句うまっ!うわ、うーん…、とか悩んだりするんです、すごいですね、僕らも謙虚に頑張りましょう。
感動的なのは次、楸邨の台詞ですが、妻の思い出を語っています。
加藤 生前、「あなたは仕事を一生懸命やっているときでないとダメです」と。これは時々言われた。あなたが仕事に夢中になってやっているときは惹かれます、だけど、仕事に夢中でなく、のんびりしちゃっているときはダメですと、そう言ってました。これは大変な言葉だと私は思っています。
わー、なんともまぁ良い話、こう言われたいもんです。ねぇ、俳人はこうでありたい、良いじゃないですか、俳句以外の事なんかできなくたって、良いんですよ、A子よ、読んでるかい?ここ赤線引いておきなさい、俳人は平日は飲みに行って帰らないし、土日は吟行で家に居ません、で、基本的にごろごろとあまり働かない、良いじゃねぇか、俺は俳人なのさぁ!あ、ダメ?あんた楸邨先生と違うし、惹かれない?いや、たまにはさ、僕も良い句作るよ、ほんとほんと、この前ぜんざいの俳句とか作ってみたけど良いぜ、見る?あ、見ない、そうですか、へいへい、あ、ごめんごめん、はい、出勤させていただきます、本日も懸命に働かせていただきます、青空が綺麗だなー、すがすがしー!
と一人で書いてたら(小田急線)空しくなりました。タハッ!
次は青畝の言葉。
阿波野 私、七十三歳で初めて外国へ行ったの。それまでは外国なんかとんでもない、まだ内地をほうぼう回りたいと言うとった。
加藤 七十三でいらした。うーん。
楸邨もまたすごい、次は楸邨の言葉。
加藤 これが初めてできたんです。このときは嬉しかったですな。もう本当に嬉しくて、ああ、おれはまだ詠めるんだと。詠むものの中で、今までよりも私の世界としては新しい何かを加えることができる。湿地帯のゴビ砂漠の真ん中で声を上げて叫びたいような気持ちでした。感激というのはああいうのを言うんでしょう。
僕パスポート持ってないし、外国に行ってみたいと思った事がほとんどないんですよね、温泉とか、歌枕とかさ、なんかそういうとこ行きたいじゃないですか、駅弁とかさ。青畝もきっと同じように思ってたんでしょうが、73歳、初海外で、あっ!そうじゃない、なんでも見んとあかん!と感じたんでしょうね、楸邨もまた、ゴビ砂漠の真ん中で感動、いやすごい、元気、大俳人になりたければタフガイじゃないといけないんでしょうね。
それでも僕は温泉に行きたいけど、海外か、うーん…
結社の話題になります。
阿波野 よく、あれはどこの結社やったやないかという噂きくとね、ええやないか、行きたいことがあって行ってるんやからかまへんやないかと言うてね。
そうなんですよ、あんたの結社が、師系が、とやんややんや言われるのか僕はほんとに嫌いでして、やんやと噛みついてこられると、あんたと僕との勝負であって結社とか関係ねぇだろ、おー!?あんたがどんな名句作るんじゃい、見せてみぃ!
と思っても気が小さいからやっぱり堪えるわけですが、なんかこう悪口ばっかり言ってると小粒な俳人になりそうじゃないですか?大きくいこうぜ!青畝先生でっかいぜ、カッコいいぜ!
喧嘩売るなら相手に直接売るべきです、その場で席題だしたりしてさ
餅太郎「この野郎、あったまきた、『雑煮』で三句、五分で勝負だ」
麒麟「はぁ?三分で充分だぜ、べいべ」
餅太郎「俺を雑煮の餅太郎と知って言ってんのかこのやろう、おぉ!?ひーひー言わせたらぁ!」
麒麟「ふふふ、もう二句できちゃったぜ、お雑煮は得意なのさ、悪いが手は抜かないのでシクヨロベイベ」
餅太郎「くそっ、もちもちの…、ちがっ、ぬ…」
一時間後
餅太郎「負けたよ、麒麟さん、あんたの雑煮、うまそうだ…」
麒麟「ふふふ、あんたのあのお餅がぬーんと伸びる句、あれ好きだぜ」
餅太郎麒麟同時に「飲み行こっかー♪」
…俳人よ、美しくあれ!