京童さんをどうしょうかー9

この前、る理ちゃんに「きりんさんは老いに憧れがありますよね」と言われました。あー、あるなぁ、と思います。なんかこう杖ついて、口はむにゃむにゃして、あぁ今日は晴れたねぇ、なんて言うのが似合う老人になりたいなと思うんです、俳句の世界は若いだけでチヤホヤしてくれる変な場所ですが、そんなに若い事って素晴らしいかなぁとも…。

いやでも多分素晴らしいんだろうけど、若い事は、うーん、でもねぇ…。

最近梅に鶯が来てホケキョと鳴いて、あー、お茶が熱くてうまいぜ、みたいな俳句が作りたくて、梅を見るんですがなかなかね、作れないんですよ、もう馬鹿みたいにありふれた題材で、面白い俳句を作る、そんな俳人になりたいなぁ。さ、京童さんを読もうかね。

手荷物に気をつけてゐる暖炉かな

全然心許してない

頼もしき音に燃え来し暖炉かな

でも手荷物に気をつけている、全然心許してない

その頃の炬燵のありし通ひ船

あぁ、あの頃の炬燵でありしよ、なでなで

湯婆の入れてありたる布団かな

優しいだけで良いじゃない、大事よ、優しさ

昭和9年だよ~

咲いてゐる菜の花のあり初詣

得した!

正月の休みの海女や海女どころ

海女どころ…、正月の休みの海女やって…、いやぁのびのびしてる

田中屋の奥の座敷の春隣

牛丼屋じゃないよ

暗き家にもえゐる春のゐろりかな

お前ん家いつも暗いな(ふかわりょう風)

雪どけの日向の径の女かな

女かなって女だよに近くて迫力がある

せせらぎの石の上なる春の雪

この石が可愛い、石の一字がなぜか明るい

満開の大木蓮や風の中

満開でしかも大木蓮だぜ、ありきたり過ぎる下五、風の中ぐらいが面白く響くのです、多分

買うて来し蛤し春の雁

三丁目の夕日か!鎌倉物語か!あ、どっちも漫画か、蛤のぎっしり感が嬉しい

はばかりにある行燈や春の雨

お前ん家はばかりに行燈あるな(ふかわ流)

後ろより沈丁かほる牛乳しぼり

クララが立った、関係ないけど

すぐそこのお宮の花を見に出たり

お宮が効いてますね、軽いだけじゃなくて、ちゃんと明るいんです、京童さんの俳句は。

さてと、梅でも見に行くかね、じゃみなさん、バーイ