『胡桃』を読んでみた

加倉井秋を『胡桃』(昭和23、白砂書房刊行)

また気になる夢を見ました、最近なんだか変な夢ばかり見てしまうので疲れが抜けません…、まぁとにかくこんな夢を見ました

原っぱを歩いている麒麟の背中にボールがヒットし、あいたっ!何しやがると振り返ると野球帽を被った中学生達が数人、何やらわいわい言ってけつかる

中学生A「ゲットだぜー」
中学生B「ポケモンゲットー、イェイ」

おぉ、なるほど僕はどうやら世間のチビッ子が大好きなポケモン(知らない人は小さい子どもが好きそうな獣をイメージしてください)らしい、んでもって、ゲット(捕獲)されたので僕はあの中学生に飼われてしまうのだろう、これも運命、とぶつぶつ言っておると…

中学生A「ちぇっ、なんだ麒麟だよ」
中学生B「攻撃力も素早さも低いからなぁ」

と言うではないか!無礼な…、そこはまぁ余裕の麒麟さんでありますから、高笑いしながら

麒麟「攻撃力も素早さも関係無い!僕は特質系だ!」

キメッ

…そして朝が来て、いやだいやだとまた会社に行くのでした…。

何の夢だったんだろう…

でも、ま、いっか

歳時記を眺めていると気になってその作者の句ばかり探してしまう事がある、あー、変だなぁこの作者、面白いなぁーと、そんな作者の一人が加倉井秋をさんです、そう、あのギターの俳句の人ですよ、あまり最近読まれないかな、若い子とか好きそうなのに…、そんじゃ読んでいこうかなぁ、今日は天気が良いなぁ

初蛙みどりの色にさまざまある

違いのわかる男、秋を

食卓の鉄砲百合は素つぽをむく

こっちを向きなよ鉄砲百合

月光に掻き鳴らすギターは出鱈目

文句なしの代表句、大好きな句、じゃジャーン!と、清く正しい俳句も好きだけどたまにはね、こう、じゃジャーン!と

小春日や鞄の蓋をあけて干す

秋をは興味の方向が実に面白い

妻の折り目のままに着る夏シャツ

妻よいつもサンキュ、とにやける

さくらんぼの柄は灰皿へ捨てる

これ俳人の常識である(違うか…)

茶店ひま稲田を前野球をうしろ

いや、笑い事じゃないですよ、暇で

恋猫が屋根に居るピアノを叩く

弾くじゃあね、じゃジャーンと叩こう!

朝起きてから鵙きいてからの一と日

三時頃仕事が嫌になったらこの句を思いだそう。

日曜は鶯をきいて和服で居る

日曜はそういうのが正解

花種を蒔くことだけは自分でやる

可愛いところもあるのよ

カレンダーを自分で作り日脚伸ぶ

結構マメ

野を焼きしばかりのそこらあたりかな

秋をさんは言葉を無駄に使う天才、そこらあたりかなって…

二科を見る石段は斜めにのぼる

俳人が石段を必ず斜めにのぼるようになったのはこの句以降です(まさか!)

躍りゐるうしろ姿のみな暗く

なんだか影絵のような怪しさが気になる

折鶴のごとくに葱の凍てたるよ

ぴーんとな

春日傘まはすてふこと妻になほ

可愛いとこがあるじゃないか、チュ

すれ違つてから金魚売は呼ぶ

秋をのこの一味違う感がたまらない

曲ることなき毒消売の道

これも有名な句ですね、蝉の声がじーわじーわ聞こえる…

久しぶりに京童さん以外の作家を普通にやった気がする、よーし、桜でも見て昼酒でも飲もうかしらん

じゃ、ばーい