昭和63.2本阿弥書店発行『まつもと・かずや戦後俳句集』
何も僕は人が書かないものばかり書いてえっへん、どうだ、という気持ちは意外とないんですよ。井月さんはたまたま伊那に居たから気になるわけで、京童さんはふらっと寄った古本屋さんで手に入れて初めて知った作家だし…、いつ誰と出会うかが運や縁なのと同じように、いつどんな本と出会うかも運であり縁ですなぁ、なんて文章が浮かんできて照れてきたからやめよっと。
高知大生(この国で一番素晴らしい学校であります)の頃、街で一番大きな本屋さんに自転車でよく遊びに行ってました。なんとなーく、あくびをしながら山頭火の本を立読みして…
…!?この本には僕の事が書かれちょる!?
と恥ずかしい勘違いをして俳句にのめり込んで行きました。
数ヶ月後ぐらいに広島市の本屋で高速バスを待つ間、時間をつぶすために立読みしていたら、蝸牛俳句文庫の重信を見つけ、パラパラ、ページをめくると…
…わしのやりたいんはこれじゃあ!!
と恥ずかしい年頃だったのでますますのめり込んで行きました。
そのしばらく後で三鬼読本を高知大の地下で発見し
俺は575で面白い事をするきよ!
と、あぁ恥ずかしい、あの頃の自分を抱きしめてあげたい
えー、それから色々あって古志に入りましたとさ、テヘ
別に何が言いたいわけでもないけど、たまたま出会う本って大事よ、って話。
えー、今回から読んでいく本、雨宿りするために八重洲地下をうろうろしている時に見つけました。
うろうろするもんです、スマートなのは賢いかもしれないけどつまらない、うろうろするもんです、です。
さ、本題
『まつもと・かずや戦後俳句集』を読んで行きましょう。
まつもと・かずやさんは昭和3年浅草生まれ。市川一男さん達と口語俳句運動を起こす。…ぐらいしか僕にはわかってません。ちなみに市川一男さんは病気の石鼎の代わりに『鹿火屋』の選をしていた人です。後に脱退『口語俳句』を創刊しています。
まつもと・かずやさんの事をまるで知らないけど、ここに俳句があるからこれから知っていきましょう
昭和22
「おれは浮浪児だぜ」といいきった目のかがやき
やけっぱちは強い
日傘まわせばまわせば若い日の私
あぁ昔昔よ、なんて最近思わなくもない
昭和23(太宰情死、東条英機ら七名絞首刑)
ぼくの中の天皇は軍服に勲章ガチャガチャさせてなかなかのもの
そんな時代でございました。ガチャガチャがもの思わせる。
昭和24(ソ連にも原子爆弾があると発表された。)
アベックということばおぼえる銀座裏町夕しぐれ
僕が生まれる34年も前から「アベック」なんてやろうどもはいやがったんだねぇ。
夜に女のくい残した皿を洗う
ほんにやりきれないぜ
昭和25(朝鮮戦争、金閣寺焼失)
失業の一年がまるで一生のようだと身をかがめる
おぉ…、仕事を辞めて週払いのアルバイトをやっていた事がありますが、惨めで重かったです、小銭ジャラジャラ鳴らして…、靴破れてて…。
流れ作業となる裏町の染工場から出てている赤い水
働き甲斐のある仕事を!と綺麗な顔で言う人が嫌いで、生活のためだけに働いたって立派じゃないかと思う。あ、別に今の仕事気に入ってるけどね、お昼寝とおやつの時間があるとこが素晴らしい。
昭和27(血のメーデー事件)
「君の名は」放送されている売れない魚屋の店番一人
あぁやるせないなぁ退屈だなぁ、あーあ
昭和28(朝鮮戦争が終わる)
夜の灯がつき男をまたぎ女が出てゆく木造アパート
木造アパートって夢がある、歩くたびギシギシ鳴りそうなとこが良い。え?うち?違うけどさ…。
しばらくこの本を読むと思います、そんじゃ
ばーい