ミスター零⑫

杉本零句集「零」
平成元年二月二十一日、杉本零遺句文集刊行会発行

もじゃもじゃだった髪をばっさり切りました。いや~、身軽ですな、髪って重いのかなぁ。僕は基本的に一年中頭痛なんですが、今朝はスッキリいい感じであります。

髪を切るのは好きなんです、ただ美容師さんと話をしなくちゃならなかったり、寝たフリをしようか、いや感じ悪いかな、あなたの技術が気持ちよくて僕ぁ眠いんだなぁ、なんて、いやわざとらしいと思われるかな…。今日はどんな感じに?いやあの、えと、適当に、いや、あの前髪が眉毛にかかるかかからないかぐらいに(ほんとに毎回言います)、もみあげは、えとおまかせします、切っても切らなくてもいや、えと、耳は、はい、あ、じゃあ、出してください。今日は何か、ええ、はい、いや、いいえ、何もつけずに、はい、ええ、このままで…、自然な感じで?あぁはい、それでお願いします。

こういうやりとりがとても苦手でまたもじゃもじゃになるまで髪をほったらかしにしてしまうのです。

美容師の友達がほしい、いや、やっぱり友達だと気を使うからいいや。

ざっくりと、生きていきたい、無理だけど。

えーと、はい、零さんやります。

●すでにして目が笑ひをり四月馬鹿

なんだってうふふぐらいがちょうど良い

●電車の灯橋を這ひゆく花火かな

あぁ過ぎ去ってしまう

●行く道の遠くに咲いて野菊かな

野菊が希望だなんて野暮な事考えたくないけど、なんだかそれでも良いような気がする野菊かな。

●ひとまはり大きな影と鶉かな

鶉は丸くて可愛い。

●夏休終りに近き登校日

面白くもつまんなくもない、あの学生の日々に戻りたい、いや、やっぱりいい。

●雨がちの今年のごばう引きにけり

なんでだろう、雨が青く感じる、句集の印象かなぁ。

●十六夜の国道に出て別れけり

十六夜ですね、なんつう気障は言わない、ただなんとなく思うのが良い。

●まさ、おふうなどといふ名や翁の忌

こんな時代だからこそ、子ができたら、○太郎、○子とか名付けたい。
麒麟子、いや違うか…

●生れたる二匹の蠅の卍かな

可笑しくて少し哀しい卍かな

さ、また来週、今日はルノアールで書いたから気分が良い。

ばーい