杉本零句集「零」
平成元年二月二十一日、杉本零遺句文集刊行会発行
飲み過ぎてはいけないと、つくづく思う。
行くところがないので、ふらふらっと飲みに行って、あら麒麟ちゃんひさしぶりだね、飲みな、食べな、いやいや、もぐもぐ、いやいやすんません。いや、ありがたく、ゴクゴクぷへぇっ♪くぅー、熱燗は季語だから好きさ。てへへ、僕ねぇ、季語はできるだけ食べて飲むようにしてるんですよー、タハハー。やがてよく泊めてくださるおじさんと仲良しのノブりん(女性)とタクシーでタァーッてね。わおっ、マダム、この赤ワイン美味しーいね、くはぁ。そして朝風呂をいただき、素敵ごっつり朝食をごちそうになり、あぁお腹いっぱい、ごちそうさまでしたー。さ、行きたくないけど仕事行こうかなと。
こっからがいけない、電車に乗ったぐらいからどんどん気持ち悪くなってきて景色はぐるぐる…。
八時半に出社したんですが、顔面蒼白、酒クサシ。ちょいちょいトイレに行ってですね、はぁ…、トイレの上に僕現れてゲロゲロゲロん、あぁひどいね。よくクビにならんね。昼もほとんど食べずグーガー寝て、三時のおやつも食べずにグーガー寝て、たいして仕事もせずにそのほとんどを二日酔いで過ごしました。
いやー、いけません、いけません。もっと会社様の事を考え機械のように働こうと思います、嘘、言い過ぎた。
はい、零さんやりましょうね。
●きれぎれの声の漂ふプールかな
人工的なプールだからこそ
●首はふり出して小犬の昼寝かな
小犬です、子犬じゃなくて。かわいいです。
●日に焼けてのしいか臭き漢かな
男とはこれ正しくは漢なり
●短日のブザーに余韻無かりけり
そんな事普通思いません。そんな事でしみじみする人もまぁ居ません。
●初冬の灯点し頃のポストかな
初冬の光が気持ち良い、春よりは初冬かなと
●短日や合せしままの開架橋
いいじゃない別に、と思ってしまうと詩にならない。ここで短日なんて置いてしみじみするべきなんです。
●着ぶくれて走る電車の中歩く
そりゃそうなんだけど、電車の中をのしのし歩く様子が楽しい。これ自分じゃなくて見てるんじゃないかな。
●湯気たててその音聴いてゐたりけり
いいですね、好きな句です。この無声映画のような美しさがたまらんです。
●春愁と言ひも捨つるかたはやすく
そんな事言ってると掃除できません
●塗り込めし貌の日永のチンドン屋
会った事ないから証拠はないけど、零さん、チンドン屋とかピエロとか好きだったんじゃないかな。明るさと悲しみはいつも紙一重な気がします。
今回アップが遅れたのは二日酔いのせいです、すみません。
本日も頑張って生きたいと思います。
ばーい