杉本零句集「零」
平成元年二月二十一日、杉本零遺句文集刊行会発行
黙ってたけど実は僕働いてます。
それなのに…
「麒麟ちゃんは仕事のストレスなんざないでしょう?」
なんてよく言われます。
いやいや…、いやいやいや…。
会社の屋上で秋刀魚焼いてたり、会社の自転車で銀座をうろうろしたり、二日酔いで昼までゲーゲーやってたり、女の子達と戯れたり俳句作ったりしてるんでしょ?
いーじゃなーい?
なんてよく言われます。
いやいや…、いやいやいや…。
最近エレベータの中でぶつぶつ言います
「…どうして…、そんな…、今やらなきゃ…、自分達ばっかり…、なんで…、こんな生活…」
限界が来ると夜の銀座から京橋日本橋へとうろうろします、お金はないので何にも買いませんが灯の間を通ると気持ちがいいのです。
限界がくると「てんや」に行きます。あの天丼の、ええ、安いとこ。誰とも会話をしなくて良いところに行くのです。「野菜天丼並で」しか喋りません。
で、そんな日常が、結構好きです。
いやいや…、いやいやいや…、うそうそ、いやいやほんと…。
はい、零やります、今リアルに仕事帰りなのでぐったりしたマクラですが、そういうのもまた大事です。いつも元気な人を僕は信用しません。
はい、やるよー
マスクして彳てり待たせて了ひけり
ごめん
翻るとは飛ばぬこと破芭蕉
そうなんだぞ
足場きしませて働く裸かな
みしみしムキムキ
金柑に弱まりし日のしみじみと
辛いとは言わないけれど、辛いのよ
てのひらを春雨傘の外へ出す
やわらかい
明星派不滅の歌を梶の葉に
不滅の歌っていいですね、カッコいいや!不滅目指しましょう、不滅。不潔じゃなくて
いと暗き目の涼み人なりしかな
悩みはあるけど…、言わん!
鳴きそめし蜩はるかなるかかな
てんやわんや師匠みたいな
湯気立ちて縺れて消ゆる繰返し
楽しい事はもっとたくさんあるよ、ね?
風船の中の風船売の顔
あぁ、めんどくさーいという顔
あー、石油王でも助けて、一生俳句だけやりたいなぁ…、なんて考えてはいけない、もう29だから。ということを毎日考えています、29だけど。
そんじゃ、ばーい