「五秒後に鼬が現れるぞ、撃て」  石原ユキオ

え、と思った時には五秒たってしまって、確かにそこには野生の鼬が現れるのだ。打つ瞬間というのはやはり空気が静まるのだろうか。地元の冬山にたたずむと、遠くに銃声と雉の声が聞こえることがあった。天橋立に行ったとき、たくさんのイノシシ(たぶん死んでいただろう)を荷台に乗せた車とすれ違った。一匹一匹を仕留めるときに、彼らは息を止めその瞬間を向かい入れ、生死と向かい合うのだろう。
生死と退治するまでの五秒間。乱暴な言葉づかいにより、やらなければならない焦りを覚える。

週刊俳句291号「狙撃」より。