2004.6.30ふらんす堂発行
石田郷子句集『木の名前』
俳句を初めて誰と会うか、どんな順番に会うか、というのはそれぞれの財産なんでしょうね。
石田郷子さんが自宅で喫茶店をされてた頃に何度か遊びに行かせていただいた事は今でも大事な思い出で、特に覚えているのは
ポンと机の上に加倉井秋をの本を置いてニコッと「面白いよ」と言ってくれた事で
若麒麟「…アキオって有名な人ですか?」
って無知な僕が聞いたら「そうね、有名よ」ってウフフと優しく笑ってらした事とか
「最初に好きなだった俳人?そうね、細見綾子さんは好きだったなぁ」
とか
遊びに行くとその場で「古志」を封筒から出して「どこに載ってるの?」って聞いてくださる事とか
「若い人はすぐに結果を求めるからねぇ、こつこつやるのがいいよ」
とか
まぁとにかくそりゃあ素敵な人でして、皆好きなんだろうけど、僕も好きなんですよ。
今でも訪ねて行った事をわりとくっきりと覚えてるのはやっぱり嬉しかったんだろうなぁ。
さ、句集読んでいきましょうかね、ご存知第二句集の『木の名前』より
白鳥の帰るつもりの声そろふ
あぁ行ってしまう
出はじめしばかりの色の草の餅
いつもよりつやつや
よその木にぶつかつてゐる落花かな
あぁ自然っていいなぁと
さびしいかさびしくもなき青野
やっぱりちょっと寂しい
草の実をつけたる犬に甘えられ
おーしよしよしよし、僕は猫派なんですが犬も好き、触りたい。
茸汁澄みてお茶屋に一人きり
こんな美しい休日を過ごしたい、多分空気も良い。
食べながら考へる癖冬ごもり
なぜか作者名を伏せても女性を感じる、冬の字が清らかなのかな
浴衣の子家鴨に会ひにゆきにけり
おーしよしよしよし、両方可愛い
鳥帰るなり整然と椅子机
有名句ですね、椅子とか机の事を考えると必ず浮かぶ句。この句の事を考えるとなんか澄んでくる。
走り茶や肘いきいきと働いて
感じの良い女の人が好き、いきいきな人が好きです。
小鳥くる昔話を聞かせてよ
これも有名句ですね。このフレーズがたまらなくキュンとする。
苗売のときどき留守にしてゐたる
たまに飽きる
冬泉ひとの言葉を聴いてゐる
素直というか健気というか、いや澄んでいるってのが近い。
新宿や冬夕焼のすぐさめて
新宿やってのに胸がなんだか熱くなる、どうしてだかとてもよく合っています。上五が池袋とかじゃ絶対嫌。
うごかざる一点がわれ青嵐
また出た有名句。この句も一回読んだら忘れられないですね。一点になってワァーッと叫んでみたい。
心がギクシャクしたりするとよく郷子さんの句を読み返します。
はい、じゃあまた
ばーい