虹とクリームソーダ

ときどき郵便受けにポスティングされている地元情報誌。今月はかき氷特集で、おいしそうなかき氷の写真が何枚も並んでいる。眺めているうち、私の中のかき氷熱(冷たいのに熱とはこれいかに)が一気に高まる。もともと、かき氷が大好きなのだ。夫が出かけて一人で過ごすことになった日曜日の午後、日傘をさしてふらりとその中の一店を探しに出かける。が、遠い遠い。思っていたより遠くて、びっくりした。なんとかたどり着いたのがこのお店。

IMG_1799

何人か並んでいる列の後ろに着く。ここまで来て、食べずには帰れないわよ、ええ。15分ほど待って、店内へ。このお店はシロップがぜんぶ手作りで、厨房に並べてある瓶には「いかにも手作りです」って感じのやさしい色のシロップが詰まっていた。あんず、パイナップル、抹茶あずき、メロン、瀬戸内レモン、中にはラムレーズンなんて変わり種まで。頼んだのは、王道のいちご練乳、650円也。氷ふわふわ、シロップはいちごの果肉たっぷり。写真はありません。写真を撮っている間にも、かき氷は刻々ととけてしまうからです。

かき氷削るの上手ひげの人  紗

IMG_1851

現代俳句協会の東京多摩地区の会報「多摩のあけぼの」にエッセイ「虹とクリームソーダ」2ページ寄稿しました。虹にまつわる話をば。そういえば、万葉集で虹を詠んだ歌は、一首だけしかないのだそうで。

伊香保ろの八坂の堰塞(ゐで)に立つ虹(のじ)の顕(あらは)ろまでもさ寝をさ寝てば(詠み人知らず)

あとは、「虹とスニーカーの頃」、虚子と重信の虹の句の共通点、婚姻届を出した日の夕暮の虹のことなどつらつらと。

春の虹ひとすじクリームソーダ色  紗希