臥龍の風格

先週、ちちははと、愛媛は大洲の、臥龍山荘へ。なんだかんだで、毎月、定期的に松山に帰っているのです。

ここは、ミシュランで、観光地としてひとつ星をもらったところ。昔のお殿様の別荘地だったのを、明治時代に買い受けた人が、山荘としてまた生まれ変わらせたという建物です。まー、なんとも素晴らしい庭。雨でしたが、ちょうどもみじの季節、濡れていることで、葉がきらきらと輝いて、葉脈まで透けてみえました。

そして、とにかく、ここは借景がすばらしい。大洲の山と川が、自然に、建築の意匠の一部として取り込まれています。

建物の中は、撮っちゃだめということで、これはぜひ実際に足をはこんで見ていただきたい、すてきなわびさび建築。ふすまの取っ手のところが、梅やまつぼっくりだったり、宵をテーマにした部屋だと、蝙蝠の形だったり。欄間も、もちろん、手が込んでます。

俳人垂涎の、氷室(むかしの冷蔵庫)も発見。中見たい。

建築やわびさびには詳しくない私でも「かわいい!」「たのしい!」と思う仕掛けがたくさんでした。小さい頃にも、連れてきてもらってたはずだけど、今だから分かる楽しさっていうのも、あるのかな。

帰りに、産直市場のイベント「しいたけ祭り」をのぞく。しいたけ掬いどり、しいたけ狩り、しいたけ炭火焼、しいたけ即売、しいたけクイズ・・・。なんというバリエーション。

わたしも母と、果敢に、しいたけ狩りに挑戦。ポスッととれるのかと思っていたら、結構、しぶとく木に根を張っている。当たり前だけど、椎茸も生きているのね。そうやって自分で触って体感すると、椎茸にすごい親近感がわいてくる。3つで100円と書いていながら、係のおっちゃん「これもあげるよ」「これもいる?」といいながら木から椎茸をもぎとり、倍以上サービスしてくれたのでした。

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告知いくつか。

●「俳句」(角川学芸出版)2011年12月号の特集「暗誦したい!冬の名句100選」に、「感覚」というテーマで10句抄出、小文も寄せています。

【今月号の見所】
・巻頭グラビアの高野ムツオさんの、海へ向くベンチに座っている後ろ姿とか(角川、今年からグラビアの写真が、すっごくよくなりました、単なるポートレートではない写真で、その作家の個性が出ているので、毎月楽しみです)

・新鋭競詠は、阪西敦子さん×宇井十間さんです。

●「俳壇」(本阿弥書店)2011年12月号で、俳人アンケートにこたえています。
特集は「冬の風物を詠む百句」。角川の「俳句」の特集とだだかぶりのようですが、こちらは、冬の季語10個が決まっていて、10人の俳人がそれぞれの季語を使って10句つくる、という企画。詠むか、読むか、という。あとは、若手トップランナー、如月真菜さんです。なんと、真菜ちゃんのお子さんも一緒に写真に!(かーあいいのです)

●NHK学園国立本校で、一日吟行句会の講師をします。
来年の2月25日(火)なのでちょっと先ですが。
谷保は、関東三大天神のひとつ、350本の梅林は、私もいちど見に行ったことがありますが、まあ、心がぽっと華やぐこと。合格祈願の絵馬を見て、あったかい甘酒を飲んで。これで、なおかつ、気に入りの一句ができれば、最高なんですけど。

初春俳句吟行―谷保の梅祭りを詠む―

ハイボールがつくりたくて、最近、炭酸を常備しているのですが(つまり、ウイスキーは、もちろん常備されている)、炭酸オンリーで飲むのも美味しいということに気づき、最近は、もっぱら炭酸水を飲んでます。スパークリングワインも大好きだし、ビールも大好きだし…あれ、お酒が飲みたいというより、私、もしかして炭酸が好きだったってこと?