震災復興を目指して、佐藤鬼房顕彰全国俳句大会投句募集

実家の、祖母の畑。いまは、キャベツや白菜、ねぎや豌豆などを植えている。

しっかりと、玉を巻き始めている。なにかが育つのを、日々まのあたりにするというのは、嬉しいことだと思った。

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去年は、震災の影響で、急きょ“復興支援”というかたちをとり、投句のみ(投句料は全額、募金)の大会実施となった、宮城県塩竃市の「佐藤鬼房顕彰全国俳句大会」。来年は、毎年行われていた3月20日(祝)に、第五回が実施されることになった。テーマは「震災復興を目指して」、現在、投句募集中。以下、要項です。

第五回 佐藤鬼房顕彰全国俳句大会
(塩竃市制施行70周年記念事業・プレねんりんピック関連事業)

日時      平成24年3月20日(火・祝)受付 午前10:00~
開会 午後12:30~
場所      壱番館塩竃市遊ホール(JR仙石線本塩釜駅徒歩五分)
当日参加費   1000円(参加者一句投句、公開審査)
シンポジウム  「鬼房晩年の俳句の魅力」
(パネラー)田中亜美、神野紗希、矢本大雪、宇井十間、関根かな
(司会)大場鬼奴多

事前投句締切  平成24年1月16日(月)当日消印有効
応募方法    未発表三句一組(一人何組でも可・ジュニア部門は一人三句以内)
既定の投句用紙または二百字原稿用紙に住所・氏名・俳号・TELを記入
投句料     一組1,000円(無記名定額小為替使用)
*ジュニア部門は無料です
選者      (一般)和田悟朗、宮坂静生、正木ゆう子、蓬田紀枝子、
高野ムツオ、渡辺誠一郎
(ジュニア部門)高柳克弘、神野紗希、照井翠、佐藤成之

本当は、きっと俳句大会どころではない被災地で、それでも、俳句がひとの力になることを信じて、大会開催を決め、奮闘している彼ら。微力ながら、その手伝いができればと思う。

角川の「俳句」今月号(2011年12月号)に、おなじくジュニアの部の選句をする、照井翠さんのエッセイが載っている。彼女は、釜石で高校の先生をしていて、授業中に震災にあい、そのあと一カ月、体育館で生徒や地域のひとたちと避難所生活を送った。エッセイでは、その、震災と避難生活のことが、凛としたことばでつづられている。

夜になり、ストーブを焚き化学室にあった蝋燭を灯すと、女生徒達が思わず「ディズニーランドみたい」と声をあげ、ほんの一瞬現実を忘れた。その日、海から大分離れた集落の家さえも津波に呑まれた。孤児となる生徒が四人、片親となる生徒が十六人……余りにも過酷な現実を、このキャンドルの揺れる夜、誰も知る由もなかった。(「寄り添う日々」)