「冬の装置」 野口る理

「冬の装置」野口る理

初冬の陽射し喜ぶ瓦かな
潮風をつくる装置として鯨
散歩遅々落葉いちいち避け見つめ
ペン先をペンへ引つ込め風邪心地
湯豆腐やポン酢明るく醤油昏く
うつくしくゆどうふすくふいきづかひ
もう育たぬ身となり毛布馴染むなり