梅見る為の  江渡華子

「梅見る為の」 江渡華子

助手席の窓濡れてゐる冬終はる
友の身の中にいのちのある二月
春が来るよと夫がバナナケーキ食う
寝て覚めてすぐに笑顔や春の雨
立春の再び舟となる身体
どこも春我が家にをんな増えてゆく
手をつなぐ梅咲けば梅見る為の