「流し目」 神野紗希

靴紐の白くてかたくて青蜜柑
木道を歩く烏や夕花野
流し目の赤子に萩の花が散る
からっぽのプールに腰かけて良夜
声なくば人はぬくもり霜の花
イグアナは片脚上げて秋惜しむ
オーロラなす果実の蜜や冬隣

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