「息して」 神野紗希

図書館に入る蛇の香の青年と

左様なら海月とわたくしは西へ

明易のネグリジェ青い象ひしめく

子がミルク床に零せば晩夏の花

雲に風かたつむり這う子規が這う

プールまた静かになってつくつくし

瑠璃蜥蜴息して南十字星