2011年6月7日

正直な猿きらきらと首吊るか

新興俳句運動の旗手・富澤赤黄男に「猿をみる猿にみらるるさむきわれ」という句がある。
あるいは、伝統俳句界の頭領・稲畑汀子に「見る者も見らるる猿も寒さうに」という句がある。
つまり、生きた時代や俳句表現のスタンスに各々違いはあれど、
僕達にとって猿とは、見つめたり、見つめられたり、見つめ合ったりする存在という意味で、
ああ、僕にとってもそうだなと腑に落ちるところがあった。
(僕達に似すぎているからだ)

少し前に「開戦ぞ身近な猿の後頭部」という句を作ったことがあった。
ある人に「『身近な猿』ってビートルズのあの曲のことだよね」とずばり言い当てられ、
気付く人には気付かれるものだなと感じ入った覚えがある。
曲名は「Everybody’s got something to hide except me and my monkey」。
直訳すると「僕と僕の猿以外はみんな秘密を持っている」となる。

以下、猿の登場する句をいくつか。

人に似てかなしき猿を回しけり     西島麦南
水蟲や猿を飼うかも知れぬわれ     永田耕衣
新しき猿又ほしや百日紅     渡辺白泉

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