2014年8月6日

広島原爆の日
原爆の日幾万の鳥火の中に

メーカー :Montegrappa
名   称:Eternal Bird、限定 0935/1912
ペン先  :18K, M
軸など  :セルロイド(赤)/ スターリングシルバー、元箱一式(未開封)
吸入方式 :吸入式
購入日時 :2012/10/4
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 モンテグラッパはイタリアのメーカー。1912年にバッサーノ・デル・グラッパというヴェネト州の田舎町に設立されたというからアウロラ(1919)よりもオマス(1917)よりも古い。この町はホワイトアスパラやチーズでも有名らしいが何と言っても酒好きには葡萄酒を蒸留して作られる強烈な酒、グラッパの産地として記憶される。
モンテグラッパのペンがメジャーになったのは第1次世界大戦のイタリア戦線に従軍していたアーネスト・ヘミングウェイが愛用したことから。彼はこの小さなメーカーの製品ににあれこれと助言をしたらしい。モンテグラッパと言えば美しいセルロイドのボディーや素晴らしい銀細工を使った万年筆が有名。中でもこの「エターナル・バード」即ち「不死鳥、火の鳥」は傑作として万年筆ファンでは知らぬ者はない。
 セルロイドは発火しやすく、現に火災が頻発したことから1950年代以降は世界的に使われなくなってしまった。万年筆ブームが再来している現在、セルロイドの軸のペンを出しているメーカーは数少ないがモンテグラッパはその一つなのである。
 「エターナル・バード」には対となるべき「ザ・ドラゴン」という傑作が先行して存在した。このことから分るように描かれている鳥の意匠は極めて東洋的である。そう言えばモンテグラッパには「オリエンタル・ゾディアック」という十二支をテーマとしたペンのシリーズもある。
 それにしてもほれぼれする見事な万年筆だ。重さからも手触りからもあまり実用的とは言えないが机上の工芸品だと思えば持つ者の欲望を大いに満足させてくれる。