2014年8月17日

蜉蝣の翅のステンドグラスかな

メーカー :Conway-Stewart
名   称:Tiffany, 限定 04/288
ペン先  :18K, M
軸など  :カゼイン(黄・紫などステンドグラス状)
吸入方式 :カートリッジ/コンバーター両用式
購入日時 :2009/7/15

8.17

コンウェイ・スチュワートはイギリスのメーカー。1905年ロンドンに設立された。この変わった社名は、当時の2人の人気コメディアンConwayとStewartから取られたものらしい。第2次大戦中従軍兵士が手紙を書く目的で購入したため興隆、顧客にはかのチャーチルもいた。だからこのメーカーには葉巻大の太い『チャーチル』シリーズがある。1975年、ボールペンに押されて万年筆の需要が激減しコンウェイは生産を中止する。しかし根強いファンがいて1998年復活を遂げた。正に万年筆の歴史と運命を共にしてきたようなメーカーである。

コンウェイの魅力はその独特の色遣いにある。チャーチルやウェリントンなどのシリーズはレジン製であるが真に美しく変化に富んだ色合いである。ディンキーというミニペン(ボールペンや切手とセット)もある。しかし何と言ってもコンウェイのすごい所は58シリーズにカゼイン製のラインナップがあること。カゼインとは牛乳から作られた自然素材である。ペンのボディーとなるカゼイン約2cmを作るのに10ケ月、乾燥させるのに1年近くもかかるため1本のペンが出来上がるまで2年近くの歳月を要するらしい。カゼインは水に弱いという欠点の一方で常に伸縮し表面の傷を自然に修復してしまうと言われる。つまり生きている素材なのだ。

58シリーズはディンキーよりは大きいがチャーチルなどと比べるとはるかに小さい。だが色とりどりの軸は見る者を魅了する。自由に後染めできるカゼインの利点を遺憾なく発揮したシリーズだ。中でもコンウェイと言えばやはりティファニー。名前の由来であるティファニーのステンドグラスを思わせる黒紫の仕切りの中に青、緑、黄、白などのモザイク模様がちりばめられている。美しいものが好きな人なら一目見ると必ず欲しくなるペンだ。